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星河の覇皇

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第七十部第一章 外縁部の賊その七

「それでいきますか」
「エウロパの様なことを言うとな」
「凶悪犯、犯罪組織の人権ですね」
「かえって逆効果だ」
 これが連合の考えである。
「それは恐ろしい犠牲者を出す」
「凶悪なテロリストが相手ですと」
「海賊なりな」
「確かに犠牲者が多く出てしまいます」
「守るべきは市民の命だ」
 アッチャラーンはあくまで連合の考えを言っていく。
「連合市民のな」
「市民を害するのならば」
「排除しなければならない」
「その理に従い今回の作戦も進めています」
「ならそのままな」
「はい、行わせて頂きます」
「その様にな、それでだが」
 ここでだ、アッチャラーンは八条にこうも言った。
「今回は国境を決める」
「外縁部で人類がいる領域を全て連合領とし」
「以後国境は中央軍が警護する」
「そうなりますね」
「そして不法出国者は出さない」
 以後はというのだ。
「とはいっても完全にそれが行えるか」
「それは、ですね」
「当然ながら完全を期す」
 不法出国者ゼロを目指すというのだ、政治は完全即ち完璧を期してそうして抜け道を全て塞ぐことを目指すものだからだ。
 それでだ、アッチャラーンも言うのだ。
「何があろうともな」
「不法出国者はですね」
「出さない様にするが」
「完全に出来るか」
「かなり、九割以上は減らせるだろうが」
「しかしですね」
「ごくごく僅かでも連合から出る者はいるだろう」
 不法出国者は以後も出るだろうというのだ、これからも。
「やはりな、しかしその不法出国者もな」
「以後は、ですね」
「連合外縁部に出る者はかなり減る」
「連合のあらゆる国家に不満があるかアナーキストでも」
「外縁部の警護が堅固だとな」 
 それならばというのだ。
「出なくなる」
「そして領土を拡大する際も」
「彼等の問題がかなり減る」
「そうですね」
「そうだ、そして不法出国者だが」
 彼等はどうなるかというと。
「連合の外に出られないのならな」
「他の場所に逃げますね」
 一番多いのは罪を犯してそれで連合の外に逃げる者だ、今現在百億はいる不法出国者のうちかなりの割合がそうした者かその子孫である。
「そうなりますね」
「そうだ、それはおそらくだが」
「マウリアですか」
「あの国になるか」
「そうですか」
「マウリアはな」
 微妙な顔になってだ、アッチャラーンは言った。
「彼等を受け入れるか」
「それが問題ですね」
「彼等次第だがな」
「犯罪者をですか」
「そうだ、若しくは不法出国者をな」
 その彼等をというのだ。
「それはわからないが彼等を自国民にしてな」
「そのうえで国力伸張に使う」
「それはあるかもな」
「そうなりますか」
「アナーキストについてはわからない」
 そうした考えの者達はというのだ。 
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