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何時の間にか先を

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第一章

               何時の間にか先を
 二人でスーパーに入ってだ、少女達は話していた。二人共か寄っている高校の可愛らしい制服をそれぞれのスタイルで着こなしている。
 二人共上は白のセーターにリボン、下は赤を基準としたチェックのミニスカートの制服だ。だが黒髪ロングで大人しめのやや垂れ目の少女のリボンは青で赤い縮れた感じの髪の毛をツインテールにしている勝気な表情の少女のリボンは赤だ、黒髪の少女の名前を有田美冬といいツインテールの少女の名前は美作智恵という。二人共八条学園高等部普通科の女子野球部に所属している。
 その智恵が美冬に言うのだった。
「美冬、あんたこの前の練習試合でストレート走ってたけれど」
「うん、あの試合は調子よかったのよね」
 美冬もこう答えた。
「だからね」
「調子よくいけたっていうのね」
「そうなの」
 こう智恵に言うのだった。
「たまたまね」
「たまたまやじゃないわよ、あんた実力あるのよ」
 智恵は美冬にスーパーの中で確かな声で告げた。
「だからね」
「それでなの」
「そう、もう負けるかっていう気持ちで」
 それでというのだ。
「バッターに向かっていけばいいのよ」
「そうなの」
「バッテリー組んでるあたしが言うのよ」
「それならなのね」
「あんたに足りないのは気の強さよ」
 ピッチャーに最も大事だと言われるそれだというのだ。
「それよ」
「いつも言われるけれど」
「言わないと駄目だからよ」
 智恵は気の強そうな声でまた言った。
「あんた気が弱いから」
「だからなのね」
「そう、もう相手バッターにもね」
「打てるものなら打ってみろ?」
「星野仙一さんみたいによ」
 智恵が尊敬する人でもある、ちなみに美冬の尊敬する人は野村克也でそれぞれ違っていたりする。ポジションも違う。
「もうね」
「負けるものかで」
「そしてね」
「打てるものならなのね」
「あのストレートとコントロールなら」
 この二つがあればというのだ。
「そうそう打てないわよ」
「そうなのね」
「とにかく負けてたまるかよ」
 強気でというのだ。
「いくといいのよ」
「そうなのね」
「もうガンガンね、ただね」
「変化球はなのね」
「あたしも殆どサイン出さないでしょ」
 変化球のそれはというのだ。
「カーブもシュートも」
「特にシュートね」
「変化球はどうしても肘に負担かけるから」
「それで、なのね」
「あんたはシュートもいいけれど」
 変化球はこちらだというのだ。
「余計によ」
「シュートは特に肘に負担かけるから」
「サインも出さないの、まあとにかくね」
「強気で、なのね」
「あんたはいくといいのよ」
「ピッチングの時は」
「そう、また言うけれどガンガンよ」
 この調子でというのだ。 
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