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星河の覇皇

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第六十九部第五章 分権派の警戒その十一

「むしろ味方だ」
「そうですね、日本も各国政府です」
「中央政府につくことが多いですが」
「やはり自国の国益を求めます」
「あの首相殿にしても」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「日本と衝突しても意味はない」
「そうですね、では」
「ここは話を短くしてですね」
「そして日本とも手を結び」
「中央政府にあたりましょう」
「そうするとしよう、中央政府と対するのに各国政府の間で揉めてはだ」
 それこそというのだ。
「愚の骨頂だ」
「そうなったことは実際に多いですし」
「避けるべきことですね」
「それで中央政府に遅れを取ってはです」
「何にもなりません」
「そういうことだ、相手は中央政府だ」
 あくまで、というのだ。
「このことを忘れては駄目だ」
「政治はまずは相手を理解しろ」
「そして目的を念頭に置け」
「そういうことですね」
「要するに」
「政治は目的に対して動くものだ」
 政治的なそれに対してだ。
「だからだ、その目的を忘れて互いに争うことは避ける」
「同床異夢でもですね」
「それは構わない」
「そうですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「それでもな」
「では、ですね」
「今回はそれは小さなこととして」
「日本と最初から衝突していますが」
「それは明日で終わらせて」
「その後はですね」
「完全な同盟相手だ」
 例え同床異夢にしてもというのだ。
「そうなったうえでだ」
「そして、ですね」
「そのうえで、ですね」
「中央政府にあたり」
「その権限の拡大を抑えますか」
「そうする、連合の歴史はだ」 
 その政治の歴史はだ。
「常に綱引きだ」
「中央政府と各国政府の」
「集権と分権のですね」
「その綱引きだからこそ」
「我々もですね」
「ここは、ですね」
「そうだ、今回はその時だ」 
 綱引きのだ、まさにその時だというのだ。
「だからだ」
「日本との衝突はするにしてもですね」
「明日で終わらせ」
「そして、ですね」
「日本とも手を結ぶ」
「そうするのですね」
「その通りだ、しかし思うにだ」
 グリーニスキーは眉を曇らせてこうも言った。
「あの首相はつくづく食えないな」
「そうですね、確かに」
「実に厄介な人です」
「何かと手を打ってきます」
「敵の場合は余計に感じます」
「嫌になる位いです」
「難敵になりますね」
「彼女がロシアにいればと思う時もある」 
 つまり自分の国にいればというのだ。 
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