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レーヴァティン

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第八十八話 大坂に戻りその七

「打つ方ではね、どうしても負ける危険もあるしね」
「だからしないか」
「ああ、それよりもな」
 打つよりもというのだ。
「親だよ」
「つまり店を開くか」
「ああ、そうしたらね」
 賭場を持つ、そうすればというのだ。
「それがね」
「大きな儲けになるか」
「商売をやるのもいいし元締めをやるのもね」
「いいか」
「ああ、そう思うからね」
 だからだというのだ。
「賭場なり何なりの元締めになっていく」
「そうしてか」
「儲けることもね」 
 それもというのだ。
「いいだろ」
「そうだな、ではな」
「商売の元締めにもだね」
「まだ決まっていないところがあればな」
「なっていくね」
「そうしてだ」
 そのうえでとだ、英雄は桜子の言葉を受け入れて述べた。
「儲けるか」
「そうしていこうね」
「よく賭場はヤクザ者がやっているが」
「寺や神社で開いてるよ」
 この島ではそうなっているのだ。
「本当は駄目だったりするけれどね」
「裏でこっそりとだな」
「カタギの人達も入ってね」
「賽子や花札をだな」
「してるよ、けれど本当に遊ぶとね」
 それならというのだ。
「儲かるにしてもね」
「蔵を立てた奴はいない」
 博打でそれをした者はいないと昔から言われている、博打で儲けようと思えばどうすればいいかなのだ。
「親になることだな」
「この場合一番儲かるのはね」
「ヤクザ者かだな」
「お坊さんか神主さんだよ」
 彼等だというのだ。
「仕切るか場所を出す」
「その立場が儲かるな」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「あたし達もね」
「親になるか」
「それで儲ければいいんだよ、それに博打で身を滅ぼした人はね」
「この世界でも多いな」
「酒と博打と女って言うっちゃ」
 愛実も言ってきた。
「これが女なら男になるっちゃ」
「身を滅ぼす三つだな」
「まあ他の二つは置いておいてっちゃ」
「博打については」
「結構収められるっちゃ」
 それ故にというのだ。
「親がさせないとっちゃ」
「かなりましになる」
「博打で身を滅ぼす人が多いと」
「政を行う方にも問題だ」
「だからっちゃ」
「俺達が親になって博打を仕切ってか」
「そうした人を減らすっちゃ、それにヤクザ屋さんは」
 その博打を仕切る彼等はというと。
「やっぱりいるだけでっちゃ」
「何かと問題だからな」
「だからっちゃ」
「ヤクザ者の収入減を絶つ為にもな」
「うち等でっちゃな」
「そうだよ」
 その通りだとだ、桜子は愛実にも話した。 
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