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星河の覇皇

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第六十九部第四章 国境外縁部その四十一

 そしてだ、こう言ったのだった。
「美味しいですね」
「この通り」
「やはりオーソドックスであっても」
「美味しものです」
「そうですね、下手に奇をてらうより」
「その方がいいです、ただ」
「同じことをしていても」
 バールはこのことは強い目で言った。
「それではですね」
「はい、進歩がありませ」
「オーソドックスのその中でも」
「工夫を入れないと」
「政策もですね」
「よくなりません」
 そうなるというのだ。
「どうしても」
「では」
「はい、やはり」
 どうにもと言うのだった。
「その辺りもです」
「工夫も加え」
「新しいものにしていかないと」
「政策も失敗しますね」
「その状況を見て」
「オードドックスでも臨機応変ですね」
「そうです」
 バールにこうも話すのっだった。
「そうでなければ」
「広く長く考え」
「そのうえで、です」
 オーソドックスであってもというのだ。
「そう考えていますので」
「政治もまた」
「これはスポーツでもそうかと」
「はい、奇策を好む監督もいますが」
「これが上手くいけばいいですが」
 その奇策が成功すればだ、確かに勢いが一気について優勝に至る場合もある。だがそれが外れてしまえばというのだ。
「失敗すれば」
「ダメージは大きいですね」
「それで終わることもです」
「ありますね」
「奇策が必要な時もありますが」
 しかしというのだ。
「それに頼ってばかりではです」
「それにも溺れますね」
「魔術的な采配もあります」
 三原脩、そして彼の後継者である仰木彬といった監督が二十世紀の日本では有名だった。この二人は実際に魔術師とさえ言われていた。
「ですがそれに頼るよりも」
「堅実にですね」
「チーム力を強め」
「そして堅実な采配ですね」
「そうあるべきかと」
「軍隊もですね」
「奇をてらうよりも」
「堅実に強くして」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「進めていくべきです」
「スポーツもそうですね」
「やはりオーソドックスです、特に連合の場合は」
 この国についてはというのだ。
「軍事については」
「数、装備、物資で他国を圧倒していますね」
「そうです、ですから」
「堅実な政策でいくべきですね」
「それがいいかと」
「オーソドックスでいい」
「むしろ奇をてらい過ぎると」
 それはとだ、また言った八条だった。
「おかしくなってしまうので」
「着実かつ堅実ですか」
「それがいいと思います、地味でも」
「それが一番いいのなら」
「それでいきます」
「そうなのですね、長官は」
「そう考えています」
 こうバールに話す、そして。
 その話の後でだ、デザートのアイスクリームを前にしてだ。バールは微笑んで八条に対してこう言ったのだった。 
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