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レーヴァティン

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第八十七話 上からの改革その八

「戦は避けたくてもな」
「避けられない時もありますね」
「ああ、その時はどうしてもな」
「戦わないといけないですね」
「そうだよな、そして戦うからにはな」
「勝たないとな」
 そうしなければならないとだ、久志は強い声で言った。
「時と場合によってもな」
「おそらくナポリと戦うなら」
「その時はな」
 まさにというのだ。
「もう一切な」
「退かずに」
「戦って勝って」
「ナポリを併呑しますね」
「ああ、そうしないとな。何しろ俺達の目的な」
 それもだ、久志は話した。
「この島を統一することだからな」
「それなら戦はどうしても避けられません」
 良太が答えてきた。
「その場合は」
「そうだよな、絶対にな」
「何処かの勢力と戦うことになります」
「従わない連中もいるしな」
「それならです」
 まさにというのだった。
「戦はです」
「避けられないな」
「そして戦うとなれば」
「勝たないといけないな」
「必ず。これは戦国時代と同じかと」
「日本のな」
「欧州も中国もそうでしたし」
 他の地域もというのだ。
「分裂していれば」
「そこを統一しようと思えばな」
「戦いが起こってきました」
「日本の戦国時代なんかまさにそれだったな」
「戦い続け」
 そうしてというのだ。
「統一を果たすことになります」
「織田信長さんみたいにな」
「日本ではあの人が一番わかりやすいですね」
「そうだよな、あの人みたいに戦って」
「勝っていき」
「統一だな」
「そうなります、欧州の戦いは国家同士の利害の衝突でしたが」
 それによって起こってきたというのだ。
「しかしです」
「それでもだよな」
「はい、ナポレオンは欧州の覇者を目指し」
「数多くの戦争をしたよな」
「ヒトラーも生存圏確立の為に戦いました」
 ドイツ即ちゲルマン民族のそれの為にだ、彼は欧州のほぼ全土を自分達の生存圏にと考えていたと言われている。
「統一しようと思えば」
「本当に避けられないな」
「戦は。ですから」
「俺達もな」
「戦って」
 そうしてというのだ。
「そのうえで」
「勝たないといけないな」
「統一を目指すなら余計に」
「そうか。じゃあナポリともな」
「戦になれば」
「勝とうな、陸からだけでなく湖からも攻めるか」
 戦になればどう攻めるか、久志は頭の中でもう描きだしていた。
「そうしていくか」
「いい考えだな、それならな」
 芳直がまた久志に応えた。
「水軍も準備が整ってきているしな」
「それでな」
「湖からも攻めていくか」
「敵の横や後ろからな」
 そうした方角からというのだ。
「攻めていこうな」
「それじゃあな」
 二人で話してだ、それでだった。 
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