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星河の覇皇

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第六十九部第四章 国境外縁部その三十九

「それが徐々にでもです」
「問題になっていますね」
「衝突もです、感情的なそれが」
「お互いの将兵の間で」
「喧嘩まではまだ至っていませんが」
「やはり起こっていますか」
「残念ながら」 
 こう八条に話すのだった。
「そうなっています」
「やはりそうですね」
「そうです、それで」
「はい、では」
「それではですね」
「一つ考えがあります」
 八条は落ち着いているが確かな声でバールに言った。
「私に」
「といいますと」
「はい、交流を深めていきましょう」
「正規軍と義勇軍の」
「はい、イベント等を通じそして」
「訓練でもですね」
「合同訓練をしていきましょう」 
 これからはというのだ。
「そうしていきましょう」
「まずは交流ですか」
「別れたままですと」
 どうしてもというのだ。
「それが溝になりです」
「しかも溝は放っておくとですね」
「広く深くなっていきます」
 普通の溝とは違い人と人のそれはというのだ、放っておくと自然とそうした風になってしまうというのである。
「ですから」
「それがそうならないうちに」
「今のうちにです」
 まさにというのだ。
「狭め浅くしていきましょう」
「その為の交流ですか」
「双方の基地への訪問もです」
「そうしたこともですか」
「行っていきましょう」
「長官はよく交流を出されますね」
「はい、市民の方々ともですし」
 それにというのだ。
「警察や消防署とも」
「そうされていますね」
「お互いを知れば衝突も減ります」
 相互理解、それによってというのだ。
「ですから」
「交流ですか」
「様々な形で」
 それをしていこうというのだ。
「これでどうでしょう」
「そうですね」 
 バールもまた鯨肉を食べつつ言う、肉は焼く前の仕込み故か鯨肉であるがかなり柔らかいものになっている。いささかパパイアの香りが残りそれが風味にもなっている。
「いいかと」
「オーソドックスですが」
「オーソドックスだからこそ手堅い」
 バールはここで微笑んでこう言った。
「ですから」
「それでは」
「こちらでいかせてもらいます」
 政策はというのだ。
「その様に」
「わかりました、そして長官は」
「私は、ですか」
「これは私個人が思ったことですが」
 こう前置きしつつの言葉だった。
「どうも奇をてらう政策は好まれませんね」
「そうですね、オーソドックスな政策ですね」
「ご自身もそう思われていますね」
「はい、どうも奇をてらう政策は」
 そうしたものはというのだ。
「合わないというか考えつくことが」
「ありませんか」
「手堅い政策を考えますので」
「その状況で最も効果のある政策をですね」
「考えそして計画しますので」
 八条は奇襲や奇策を用いることは考えていないのだ、オーソドックスな政策を考えてそれを堅実に行う主義なのだ。 
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