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レーヴァティン

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第八十七話 上からの改革その六

 久志はそうした政策を就任式が終わるとすぐに行っていった、常備軍の設立と大規模な公共事業に治安対策を。
 全てを行っていった、当然政教分離も行い貴族等特権層の既得権益も見直していった。そうしてだった。
 ローマを改革していった、それでだった。
 街は中央即ち久志達がいる政府を軸に一つになっていった、それでいて商業や手工業は自由競争に任せていたので自由な風潮もあった。当然久志達への反発もあったがそれを武力を以て行おうとしてもだ。
 常備軍がある、それに警察もあってだった。
「表立っての叛乱とかないな」
「そうだな、全くな」
 正が久志に執務室で答えた。
「貴族の武力も常備軍に入れたしな」
「教会の軍勢もな」
「全て政府の常備軍に入れた」
 久志達が率いるそこにというのだ。
「それがやはりな」
「大きいよな」
「何といっても武力だ」
「武力があってこそって言うけれどな」
「実際にその通りだな」
「ああ、本当にまず常備軍を創設して指揮下に置いてな」
 そうしてというのだ。
「随分楽に進んでるぜ」
「力がない正義は何の意味もないというが」
「その通りだな」
「ああ、そしてな」
 それにと言うのだった。
「常備軍があるとな」
「戦争も出来るし外交も有利だな」
「そうしたことにも使える、軍隊は戦争だけか」
「色々な使い道があるな」
「そうだ、持っているだけでだ」
 内政でもそうだがというのだ。
「外交においても大きな力になる」
「棍棒を持ってると持ってないじゃ違うか」
「外交は棍棒を持って穏やかに話せ」
「そうも言うしな」
「この言葉は真理の一つだろう」
 二十世紀初頭のアメリカ大統領セオドア=ルーズベルトの言葉だ。
「そしてだ」
「その真理の通り俺達は進められるか」
「ローマはまとまった、後はだ」
 そこからはというと。
「周りを手に入れていくか」
「ああ、それじゃあな」
 すぐにだ、芳直が言ってきた。
「近くの村とか小さな街からな」
「声をかけてな」
「入れていくか」
「そうだよな、村や街もな」
「ローマから見たら小さくてもな」
「やっぱり一つの勢力だからな」
「そうしたところからな」
 周りの、というのだ。
「声をかけてな」
「俺達の勢力圏に入れていくか」
「村も街もそれなりの人口と産業がある」
「それを少しずつでも傷付けずに加えていくと」
「かなりのものだろ」
「ああ」
 その通りだとだ、久志も頷いて答えた。
「それじゃあな」
「今からだな」
「近くの村や街にどんどん使者を送って」
「こっちに加えていくな」
「流石に逆らうところはないよな」
 人口百万のローマとその常備軍にというのだ。
「やっぱり」
「こっちは一万の兵がいるんだぜ」
 その常備軍の規模についてもだ、芳直は話した。
「これだけの兵がいる街や村は近くにないだろ」
「とてもな」
「しかも今ローマは非常によく治まっている」
 芳直はこのことも話した。
「それも大きい」
「善政を敷いてくれるならか」
「こんなにいいことはないだろ」 
 その勢力に入る立場からしてみればだ。 
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