| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十九部第四章 国境外縁部その二十七

「無茶苦茶違うからな」
「俺達も今は兵長だけれどな」
「伍長になりたいな」
「絶対にな」
「それも同期だし全員でな」
「一度に昇進したいな」
 その伍長にというのだ、四等のだ。
「とにかく給与が上がる」
「あと軍服も変わる」
 セーラー服からブレザータイプのものにだ、帽子も制帽になる。
「そう思うとな」
「やっぱり昇進したいな」
「生き残ってな」
「そうしたいな」
「それからな」 
 下士官になったからの話も為された。
「連合市民になるか」
「サハラに戻るか」
「そのことも考えていくか」
「そうしないとな」
「何かな」
 兵士の一人がだ、ここで。
 周りを探る様に見てだ、同期の面々に言った。
「このまま連合にいてもな」
「ちょっとな」
「視線が気になるしな」
「何かとな」
「ややこしいのを感じるな」
「俺達余所者だからな」
「サハラの人間だからな」
 それでというのだ。
「所詮はな」
「このままだとずっとこうか」
「少なくとも義勇軍にいたらな」
「何か雰囲気でわかるみたいだな」
「軍服は同じでも」
「俺達が難民だってな」 
 こう言うのだった、口々に。
「どうしてかわからないがな」
「仕草とかでわかるんだな」
「軍服が同じでも」
「正規軍とは違うってな」
「外見か」
 自分達の外見の話にもなった。
「俺達の肌は赤い」
「しかも髪の毛と目は黒い」
「顔はコーカロイドでな」
「連合の連中とは顔が違う感じだ」
「背もな」
 混血が進んでいる連合の中でも独特の外見なのだ、しかも個人差はあるがそれでも背丈は連合の者の方が高いのだ。
「赤い肌で黒い髪と目でな」
「コーカロイドの顔立ちが違うんだな」
「俺達の顔は」
「サハラの顔か」
「それで軍にいるとか」
「こういう目で見られるんだな」
「流石に入店お断りにはならないが」
 これはない、連合ではそこまで悪質な偏見はない。ただ奇異と警戒の目で見られるのだ。
「嫌なものだな」
「サハラに帰った方がいいかもな」
「結局俺達は向こうの人間だしな」
「難民でもな」
 それで、というのだ。
「帰った方がいいか」
「あっちにな」
「それで生きるべきかもな」
「その方がいいか」
「若しくは」
 兵士の一人、面長の者が言った言葉は。
「難民の国に行くか」
「ああ、亡命した王族が集まってるな」
「この前ハサンの王族が入った国か」
「連合王国だな」
「あそこに入るのも手か」
「さもないとな」
 それこそというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧