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星河の覇皇

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第六十九部第三章 謀略の始動その二十四

「中央軍がなく各国軍に分かれている時も」
「ずっとだったな」
「はい、元帥といえばです」
「大国にしか存在していなかった」
「そうでしたね」
「しかも僅かであり空席の場合も多かった」
 例えばアメリカ軍は二次大戦以降長きに渡って元帥は階級として存在しているだけだった、マッカーサー達以降は空席であり続けていたのだ。
「連合全体で何人もいなかった」
「そうでしたね」
「日本は常にいたが」
「それでも一人か二人でしたね」
「あの国は防衛大臣が首席元帥だった」
 それで自動的に一人存在していたのだ、文民であっても元帥の階級が与えられていたのである。
「だからな」
「一人は必ずいましたね」
「しかしやはり少なかった」
「むしろ今の方が多いでしょうか」
「三十人でだな」
「そうかも知れないですね」
「元々元帥は多くない国だ」
 連合という国はだ。
「軍の編成的にもな」
「エウロパと違い」
 尚エウロパはエウロパ元帥というさらに上の階級がありまた元帥の下に上級大将という階級も存在している。
「少ない」
「そうですね」
「マウリア軍よりも割合的にな」
「百三十億の軍で、です」
「僅か三十人」
「大将は多いですが」
「元帥になるとかなり減る」
 これが連合軍なのだ。
「アメリカ軍の様にな」
「二十世紀のですね」
「大将もな」
「大きく分けて二つありますし」
「軍団を率いる大将と軍を率いる大将」
「その違いがありますね」
「しかし大将は多く置いているが」
 それでもというのだ。
「元帥はな」
「どうしても少ないですね」
「元帥の権限は大きいしな」
「一個軍集団、その軍管区を預かります」
 地方ではだ。
「そして各部署の総責任者だ」
「統合作戦本部長然り」
「その為元帥は少ない」
 三十人のみというのだ。
「そうなる」
「そうですね、連合では」
「軍の最高位はな」
「連合の軍制度では多く置かれない」
「そうなっている」
「それ故に大国の思惑も絡みますが」
「それは大国のエゴでありだ」
 そしてというのだ。
「感情論に過ぎない」
「その大国達にとってもですね」
「ただの見栄でだ」
「何も得るところはないですね」
「見栄を張ってもだ」
「それがプラスにはならない」
「だからだ」
 それ故にというのである。
「あの国々にもわかってもらいたい」
「元帥の任命は実力主義ですね」
「現在以上にな」
「各国の大将の中でも優れた方だけを任命されたと聞いていますが」
「長官はな、しかしだ」
「その中でもですか」
「大国の思惑がありだ」
 バールは難しい顔のままで話した。 
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