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レーヴァティン

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第八十四話 ローマに戻りその九

「傭兵って略奪とか多いからな」
「それが怖いでござる」
「略奪、暴行、破壊ってな」
「それを防ぐにはでござる」
「ちゃんと報酬支払ってな」
「傭兵達をしっかりと掌握することでござる」
「じゃああれだな」
 久志はすぐに考えを出した、その考えはというと。
「傭兵として雇ってもな」
「それだけではないでござるな」
「傭兵を正規軍にしていくか」
「ずっと使っていくでござるな」
「つまり一時採用じゃなくてな」
「永久就職でござるな」
「ああ、そうしていくか」
 傭兵として雇っても常備軍にしていくというのだ。
「俺達の世界の欧州みたいにな」
「傭兵から常備軍への転換でござるな」
「それするか、それで軍律は厳しくしてな」
「悪事を許さず」
「訓練もして確かな装備を与えて」
 報酬も忘れないのは言うまでもなかった。
「そうしてやっていくか」
「それがいいでござるな」
「ああ、だとすると本当に大事なのは」
「金やな」
 美奈代がここでまた言ってきた。
「ほんまにな」
「ああ、今はそうして商業と手工業を掌握してな」
「確かな財源手に入れるんやな」
「ローマだとな」
 これだけの街ならというのだ。
「かなりの財源になるしな」
「それでやな」
「多くても困らないものだしな」
 金自体がというのだ。
「じゃあな」
「それやったらやな」
「どんどん儲けてくれよ」
「そうさせてもらうわ、金儲けやったらや」
 自信を以てだ、美奈代はあらためて言った。
「任せておくんや」
「本当にそうするな」
「最初は投機やるわ」
 そちらの金儲けをというのだ。
「あっちの世界ではせんけどな」
「リスクがあるからだよな」
「それはこっちでもあるで、失敗したらな」
「その時は一文なしか」
「下手したら借金や、しかしな」
「何時何に投機したらいいかがか」
「うちにはわかる、頭が向こうの世界に冴えててどんどん先が読めるさかいな」
 神の道具、これの力もあってというのだ。
「そやからな」
「それでか」
「的確に儲けられる、それでセビーリアから人が来たらな」
 自分の店の者達がというのだ。
「連中の手も借りてな」
「さらに儲けてくか」
「あと商人や職人のギルドからも目を離さんで」
「そっちもか」
「こっちに組み込んでいくしこれはってお店買収もして」
 自分達のものにしていってというのだ。
「それでや」
「どんどん金の元を手に入れていくんだな」
「そういうこっちゃ、さっき話した通りにな」
「徹底して儲けるんだな」
「それで金が溜まったらやな」
「ああ、それから傭兵を雇ってな」
「完全に自分の戦力にするな」
 美奈代は久志にこのことをここで尋ねた。
「そうするんやな」
「ああ、さっきも言った通りでな」
「傭兵やなくて常備軍やな」
「そうしていくな、将来市民兵にするつもりだしな」
 その常備軍の者達をというのだ。 
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