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星河の覇皇

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第六十九部第三章 謀略の始動その十七

「もう軍事費もありません」
「限界ですね」
「ですから今年度はです」
「これ以上の行動は出来ませんね」
「そうした状況です」
「連合では各国政府は中央政府以上にです」
 ディカプリオは今現在の各国政府の状況を話した。
「今は軍事費を使っていません」
「各国軍が殆どいなくなったので」
「今は中央軍が主力となったので」
「はい、これまでも軍事費には多くの予算を割いていましたが」
 それをというのだ。
「最早です」
「これまでの国防費もですね」
「他の方面に使っています」
「そして内政を充実させ」
「身入りのある様にしています」
 そちらの分野に予算を割いてそのうえで使っているというのだ。
「各国政府もそれを喜んでいる様です」
「中央軍の設立に各国政府の多くが反対していましたが」
「今では有り難がっているとか」
「そうなのですね」
「皮肉なものですね」
「反対しておき今は喜んでいる」
「軍事費の負担が減ったと」
 こう話すのだった。
「そうとは」
「軍事費はどうしてもです」
「連合ではですね」
「多くを使いたくない」
「出来る限り最低限ですね」
「そうしていきたい」
「そういうものですね」
 戦争とは縁遠い国だからだ、その為自然とそうした考えになるのだ。これもまた連合の実情の一つである。
 その話を聞いてだ、バールはまた言った。
「確かに。戦争がなければ」
「はい、我々にしましても」
「それに越したことはありません」
「平和ならば」 
 三人の元帥達もバールに応えて言う。
「軍人が戦うのですから」
「平和が何よりです」
「何といいましても」
「はい、しかし予算が足りないことは」
 このことはだった。
「困りますね」
「予算は多いに越したことはありません」
 また言ったディカプリオだった。
「何といいましても」
「その通りですね」
「そうです、難しいですね」
「はい、全くです」
「これは本音ですね」
 軍人のだ。
「我々の」
「はい、しかしです」
「こちらの要望は話せても」
「認めてもらうかというと」
「別の問題ですね」
「ですからあるだけで、です」
「やっていくしかないですね」
 二人で話す、マクレーンと劉はこの場では頷いて聞いていた。
「人と予算は限りがあります」
「はい、ですから」
「予算のこともそれで納得して」
「やっていきましょう」
「そういうことですね」
「予算がないことはです」
 またバールが言う。
「連合ではどの軍も同じです」
「予算がない」
「そうです」
「そして少ない予算の中で運営している」
「それが実情です、ですが」
「ですが?」
「どの官庁もこう言うのでしょう」
 いささか自嘲気味にだ、バールはマクレーンに話した。 
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