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星河の覇皇

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第六十九部第三章 謀略の始動その十六

「長官のお考え通りです」
「それは何よりです、ただ」
「予算が、ですね」
「今回の軍事行動もありまして」
「今年度の予算は」
「かなり逼迫しています」
「軍事費、国防費は」
 ここでも制服組のトップとしてだ、バールは話した。
「どうしてもです」
「連合ではですね」
「ありません」
「少ないですね」
「他国と比べて多いですが」
「それは連合の国力故です」
 その国力が他国を圧倒し国家予算自体も多いのだ。
「国家予算自体が多いので」
「国防費もですね」
「額は他国を圧倒しています」
「そうですね」
「しかしです」
 バールはさらに言った。
「その国家予算の中で、です」
「国防費の割合は少ないですね」
「非常に」
「それで、ですね」
「予算の大小も相対的なもので」
「連合軍のそれは」
「多いとは言えません」
 そうなっているというのだ、バールは現実を見据え把握してそのうえで今この場で話をしているのである。
「決して」
「連合軍の規模と比較して」
「そうです」
「それが現実ですね」
「ですからもう、です」
「予算がなく」
「暫く、少なくとも今年度は」
 到底、という言葉だった。
「大きな行動は出来ません」
「そうなっていますね」
「むしろ八条長官だからです」
「この予算でもですね」
「一度に多くのことが出来ています」
「国境の防衛ラインの建築に」
 劉も言う。
「超々巨大戦艦の開発、建造」
「そして今回の辺境の作戦ですね」
「三つ全てが出来ています」
「軍勢はです」
「八条長官の予算編成と運営の巧みさから」
「他の方なら」
 バールは表情を曇らせてこう言った。
「おそらくこのうちのです」
「よくて二つですね」
「それ位しか予算を運営出来ません」
「そうなっていますね」
「予算は他にも使う方向があります」
 それ故にというのだ。
「ですから」
「軍の維持もありますし」
「将兵の給与や福利厚生」
「兵器の修理と開発」
「実に多いです」
 軍事費、つまり国防着に使う方向はというのだ。
「ですから」
「それで。ですね」
「どうしてもです」
「三つ同時に進めることは」
「他の方では無理でした」
 到底、というのだ。
「そうなっていました」
「それがこの三つが出来たことも」
「はい、そうでした」
 また言ったバールだった。
「適いませんでした」
「それが出来ただけでも見事ですね」
「そうでした、ですがその三つで」
 まさにというのだ。 
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