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転生したら、英霊になっていた。

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第3話「ゴブリン村と牙狼族:後編」

 
前書き
おまたせしました!
後編になります。
気がついたら小説お気に入りに登録してくれた方が24人
となっており驚いています!
また、感想も一名頂きましてありがとうございます!
これからも頑張って行こうと思います。
 

 
〜シャルルsaid〜
俺は今、森の中で広い所にいる。
リムルやゴブリン達には柵の強化や
トラップ等を仕掛けていくように頼んだ。
「さて、万が一の為にやって見ますか。」
俺は自分のスキルの一つ【召喚魔術】
を発動する為魔法陣を展開させて

「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ
閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する
――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
すると魔法陣が光り出して
一人の英霊を呼び出した。
「やっほー! ボクの名前はアストルフォ! クラスはライダー! それからそれから……ええと、よろ……え?シャルルマーニュ?」
とアストルフォを召喚してしまったらしい。
「姿はシャルルマーニュだが俺はシャルル=テンペストだ。」

「は!ゴメン、ゴメン、どうやら君がシャルルマーニュに似ているからついね!」
と笑いながら流すアストルフォ。
(でも、これから召喚する英霊達には説明
をしないといけないだろう。)
と思いながらアストルフォに前世の事や現在の出来事を話した。

〜1時後〜

「なるほど、君はシャルルマーニュに憧れて彼の力を貰ったんだね?」
と頭から煙を出しながら納得してくれたアストルフォ…。
「よし!なら、今日!今!この時から
君の剣であり盾となる事を誓うよ!」
と笑顔で契約してくれた。
互いに握手をして村に降りて、
リムルやゴブリン達にアストルフォを
紹介した。

その後は念入りにトラップや柵をチェックしたり再び作戦会議を行って行く。


そして、今夜が戦い時だ。
牙狼族は夜襲を仕掛けて来るつもりか
勝ち誇ったかの様に、遠くから

〜ウォーーーン!!〜
と遠吠えを響かせていた。

「宣戦布告だ!全員、持ち場にいき教えた通りにやれば勝てる!」
と俺は言うと
「「「おーーーー!!」」」
とゴブリン達も各々手に武器を持ち拳を
突き上げていた。

〜牙狼族said〜
牙狼族のボスは、目を開く。
 今宵は満月。戦いにはおあつらえ向きだ。
 ゆっくりと身を起こすと、周囲を睥睨する。
 同胞である牙狼達は、そんなボスの様子を息を潜めて窺っている。

 ボスは念話で同士にこう叫んだ。
 「今夜、あのゴブリンの村を滅ぼし、このジュラの森への足がかりを作ろう。
 その後、ゆっくりと周囲の魔物達を狩り、この森の支配者となるのだ。
 ゆくゆくは、更なる力を求めて南への侵攻も視野に入れている。
 自分達には、それを可能とする力がある。
 自分達の爪はいかなる魔物であれ引き裂くし、その牙は、いかなる装甲をも喰い破るのだから!!」

 ウォーーーーーーーーーーーン!!!

 ボスは咆哮した!
 蹂躙を開始する時間だった。

 しかし、気になる事がある。
 数日前、斥候に出した同胞が気になる情報を持ち帰っていた。
 異様な妖気を漂わせた、小さな魔物がいたというのだ。
 その魔物の妖気は、ボスである自分を上回っていた・・・と。
 そんなハズはない。 ボスは相手にしなかった。
 この森には、そんな脅威など感じ取れない。出会う魔物は皆弱かった。
 森の中程である現在地まで、抵抗らしき抵抗は受けていない。
 一度、ゴブリン十数匹に何体か同胞が殺されたが、それだけである。
 高ぶって、勘違いしたのだろう。
 そう考え、ボスは視線を前方へと向けるとゴブリン村が見えてきた。

〜シャルルsaid〜
俺は入口の前にリムルといた
しばらくすると牙狼族が見えた。
リムルは牙狼族に
「よーし! そこで止まれ。このまま引き返すなら何もしない。さっさと立ち去れ!!!」
と言っていると牙狼族も真ん中のボスみたいなのと額に星マークがあるのが話していた。
ボスは
「小賢しい!!! 捻り潰してやる!!!」
と叫ぶと周りにいた狼達が飛び出してきた。

〜境い目〜
牙狼族の攻撃により、戦端が開かれた。
柵の強度は牙狼の攻撃程度では壊される事は無かった。
シャルルやリムルで仕掛けたトラップも効果を発揮している様子である。
後は、トラップをくぐり抜けてきた牙狼達に
ゴブリン達が弓などで攻撃をしている。

牙狼族のボスは、自分の思い描いた展開との余りの違いに狼狽した。
 配下の牙狼達が戸惑い始めている。
 このままでは不味い。
 牙狼族は、集団でこそその真価を発揮する種族。
 ボスへの不信は、致命的な結果を招く要因になる。
ボスはその事を十分に理解していた。故に、ここで最大の過ちを犯した。
あの程度の柵すら壊せぬ不甲斐なさに腹は立つ。
しかも、ゴブリン達の所には人間とスライムが居るのである。
スライムからは報告にあった妖気など感じないが、あの人間は、別格だ!
妖気……いや、英霊に近い気を出している!
ボスは、自分の力を誇示する必要がある! と考える。
自分は群れで最強の存在であり、単体でも十分に強いのだ!その瞬間に、全ては決着したのだ。

〜シャルルsaid〜
牙狼族のボスの動きから目を離してはいない。
それでも、周りのゴブリンにはボスが消えた! と映っただろう。
俺にとっては、ゆっくりとしたスローモーションのような動きだったが。
 全ては計画通り。
 幾つかのパターンを考えてはいたが
 所詮ケモノ。人間様の敵ではない。
 開口部に設置した『粘糸』にボスが捕らえられる。
 牙狼族のボスの力であれば、『粘糸』を断ち切る事も可能であるかもしれない。
俺にその事を確かめる術はないが、それはもうどうでもいい。
 『粘糸』の目的は、一瞬だけでもボスの動きを止める事なのだから。
 こいつらは、柵を壊す段階にすら到らなかった。
 開口部に『鋼糸』を仕掛けるのも考えたのだが、止めを刺せなかった場合等考慮して、今回は見送った。
 俺は躊躇う事なく、刀でボスの首を刎ねた。
 あっさりと、牙狼族のボスは死んだ。 
それを見届けたリムルは大声で叫ぶ
「聞け、牙狼族よ! お前らのボスは死んだ!!! お前らに選択させてやる。服従か、死か!」

(さて、こいつらはどう応えるか?
 ボスの弔いとばかりに、死ぬもの狂いで向かって来るのかな?)
と考えながら刀を鞘に納めいつでもいい様に
構える。

〜リムルsaid〜
牙狼達は動く気配がない。
 ヤバイな…。
 服従するくらいなら死を! 的なノリで一斉に向かって来るつもりだろうか?
 そうなったら全面戦争だ。
 数の上では負けているし、こちらも無傷では勝てないだろう。
 せっかく今のところ負傷者がいないのに…負ける事はないだろうけど、出来れば争いたくない。

 さっきまで争いの騒音が、嘘のような静けさだ。
 牙狼達の視線が俺達に集中している。
 俺達は、その視線の中をゆっくりと歩き出した。
 これがどう判断されるか判らないが、こいつらにボスの死をより強く認識させる為に。
 牙狼族のボスの死体の前に辿り着く。俺を妨害しようとする者はいない。
 ボスの傍に控えていた個体が、一歩、後ずさった。
 俺は、牙狼族のボスを『捕食』した。
 この行為は、戦って勝ち得た正当な権利なのだから。

【解析が終了しました。
 擬態:牙狼を獲得しました。
 固有スキル『超嗅覚,思念伝達,威圧』を獲得しました 。】

 俺の心に、〈大賢者〉の言葉が響く。
 ふむ。
 目の前で、自分達のボスを喰われる所を見せつけたのだが、それでも動きはない。
 うーむ。
 ここまでされると、ビビって逃げ出すか、恐怖で向かってくるかの二択だと思ったのだが・・・
 あ! 服従か、死かって言ったっけ。
 しまった。調子に乗って、無茶振りしてしまったのか。
 仕方ない。逃げ道を用意してやろう。
 そう思い、俺は牙狼に擬態した。
 そして、

 グルッ、ウォーーーーーーーーーーーン!!!

 と大音声で咆哮『威圧』した。

「クククッ! 聞け。今回だけは見逃してやろう。我に従えぬと言うならば、この場より立ち去れ!!!」

 と、続けて牙狼達に宣言する。
 これで、この犬っころどもも逃げ出すだろう。
 そう思ったのだが・・・、

「我等一同、貴方様に従います!!!」

 と、一斉に平伏された。
 犬が寝そべったようにしか見えないけれど、ね。
 どうやら、俺に従う事を選択したようだ。
 動かなかったのは、"思念伝達"で会議でもしてたのだろうか?
 まあ、争う必要が無くなったのはいい事だ。
 こうして、ゴブリン村の戦いは終結した。








 
 

 
後書き
次回:第4話「復興と共存」

 
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