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星河の覇皇

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第六十九部第三章 謀略の始動その十四

「それ以上は出来ません」
「謀略もですね」
「連合は謀略は政治家の方々の仕事でした」
「戦う為に」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「我々はです」
「軍人としての表の仕事が出来ても」
「裏の仕事は」
「入力されていません」
 コンピューター、即ちロボットとしてというのだ。
「ですから出来ませんでした」
「謀略を行う部門はない」
「これまでの連合軍には」
「そうなのです」
 ディカプリオもここで言う。
「私は最初情報部がと考えていましたが」
「情報部は特務機関ではない」
「あくまで情報部ですね」
「そうです、しかもです」
 ディカプリオはマクレーンと劉に話した。
「情報を収集し検証する」
「情報は力になる」
「だからですね」
「それ以上の権限はです」
 それになると、というのだ。
「与えられるものではありません」
「役割が分担される」
「そういうことですね」
「情報部が特務機関的に謀略を行えば」
 どうなるかもだ、ディカプリオは話した。
「下手をすれば秘密警察にもなります」
「ゲシュタポやKGBの様な」
「まさにですね」
「はい、そうなればです」 
 それこそ、というのだ。
「非常に困ったことになります」
「誰にとっても」
「そうなりますね」
「そうです、秘密警察はあってはなりません」
 民主主義国家においてはというのだ。
「ですから政府も長官もです」
「そこは、ですね」
「許諾されませんね」
「はい、長官は謀略の使用の許諾をされましたが」
 しかしというのだ。
「後で私は直接言われました」
「それを情報部が行うことはですね」
「あってはならないと」
「そう言われました、ですから」
 それでというのだ。
「それはなりませんでした」
「だからですね」 
 再びバールが口を開いた。
「統合作戦本部が」
「はい」
 まさにという返事だった。
「お願い出来るでしょうか」
「それでは、しかし後には」
「その謀略を行う部署はですね」
「統合作戦本部から独立させられるかも知れませんね」
「そうですね」
 ディカプリオもその可能性を否定しなかった。
「今後は」
「権限の分散はですね」
「その権限が過ぎればです」
「行われますね」
「むしろそれを可能なうちにしなければ」
「弊害が生じますね」
「はい、秘密警察もです」
 全体主義国家にあるそれもというのだ。
「往々にして巨大な権力を持ちます」
「権限が大きい故に」
「そのゲシュタポもKGBもです」
「情報を独占し謀略を行う特務機関でありました」
「それにプラスアルファもありましたが」
 実働部隊に警察権もあった、令状なしの逮捕特権もあれば拷問を行うことも可能だった。治安維持も受け持っていたのだ。 
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