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星河の覇皇

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第六十九部第三章 謀略の始動その十三

「そうなりますね」
「そうです」
「ではです」
 また言った劉だった。
「統合作戦本部として」
「はい、私からです」
 バールが劉に応えた。
「統合作戦本部全体で」
「お話をされますか」
「そして行います」
 こう劉に話すのだった。
「ご安心下さい」
「それでは」
「参謀本部はです」
 バールは劉が責任者を務めるその部署の話もした。
「作戦についてです」
「立案をですね」
「お願いします」
「わかりました」
 劉はすぐにだ、バールに答えた。
「その様に」
「そしてですね」
 マクレーンも言って来た。
「宇宙艦隊はですね」
「参謀本部の立案した作戦により」
「動く」
「いつも通りです」
「はい」
 マクレーンは確かな声で答えた。
「そのことは」
「はい、それでは」
「その様に、しかしです」
「謀略の件ですか」
「これまで気付きませんでした」
「それを行う部署はですね」
「軍にはありませんでした」
「連合軍には」
 即ち中央政府軍にはだ。
「ありませんでしたね」
「こうした仕事はです」
 劉がマクレーンに応えて言う、マクレーンとは共に仕事をすることが多く作戦指揮においては常に共にいるので上手に連携が出来ている。
「特務機関の仕事ですが」
「その特務機関がですね」
「連合軍にはありません」
「国防省にも」
「民主主義というよりは」
「連合という国がでしょうか」
 こうも言った劉だった。
「軍にそうしたものを求めない」
「孫子にも謀略はありますね」
「はい、むしろです」
「孫子は謀略を戦術よりも上位に置いていますね」
「情報と謀略がです」
 孫子においてはとだ、劉はマクレーンに話した。
「重要ですね」
「戦術戦略よりも」
「戦わずして勝つです」
「それが戦争の極意ですね」
「相手が戦わずして矛を収める」
「そうした状況を作ることが極意であり」
「謀略も重視されます」
 戦わずして勝つことを実現させる為にだ、孫子は戦争で勝つよりも戦争をせずして勝つことを考えて書かれた書なのだ。
 それでだ、劉は言うのだ。
「ですから謀略は重要で」
「連合では謀略は重要ですが」
「官吏の仕事ではです」
「なくなっていましたね」
「文官も武官もスタッフです」
 武官、即ち軍人である彼等もというのだ。
「スタッフはコンピューターでありロボットです」
「入力された仕事を行う」
「そうしたものです、サポートシステムはありますが」
「しかしですね」
「そうです」
 まさにというのだ。 
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