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レーヴァティン

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第八十三話 ローマに戻りその三

「焦ったらね」
「駄目だな」
「変に焦らせる人間ここにはいないし」
 そうした輩もいる、それは焦ることが失敗につながることを頭に入れていない者に他ならない。
「だからね」
「余計にだな」
「そう、焦らずにね」
 そうしてというのだ。
「やっていこうね、これからも」
「政治なんか特にそうだよな」
「焦ってもすぐに結果出ないよね」
「ああ、そうだよな」
「アルバイトでも何度言ってる焦る奴は」
 そうした輩はというと。
「失敗するからね」
「そうした奴は本当にいるな」
「それで大失敗してもね」
「そうした奴って反省しなくてな」
「自分は悪くないって言うんだよね」
「そうした奴に限ってな」
「それでまた同じ失敗繰り返すから」
 焦った結果だ。
「それも大失敗をね」
「焦って我を忘れてな」
「そんな奴になりたくないと思って」
 つまり反面教師にして、というのだ。
「やっていかないとね」
「駄目か」
「そうそう、あと力んでも駄目だよ」
「変に力が入ってな」
「それも失敗の原因になるから」
「この前のソフトバンクの先発二人か」
 久志はここで起きた時の世界のことを思い出して言った。
「どっちも大事な試合で西武にバカスカ打たれたな」
「それで試合ブチ壊したよね」
「完全にな」
「そうなると思うと」
「下手に力まずだ」
 そのうえでというのだ。
「やっていかないとな」
「焦らずにね」
「気を抜き過ぎても駄目だけれどな」
「それもね、まあバランスね」
「適度な緊張とリラックスだな」
「その二つが大事ね、優れた指導者はね」
 淳二はこうも言った。
「そうしたことがわかっているんだよ」
「それでチームを率いているか」
「生徒にも教えるんだよ、駄目な指導者は」
 そういった輩はどうかというと。
「怒鳴って罵って殴ってね」
「そうしてばかりか」
「後ろに竹刀持って立っているんだよ」
「殆どあれだな」
 アクアパッツァを食べつつだ、久志は淳二に言った。
「ソ連軍の督戦隊だな」
「それだよね」
「まともな指導者じゃないな」
「学校の先生に多いんだよね、そういう奴」
「日本の学校の教師って共産主義大好きな奴多いしな」
 日教組がそもそもそちらに極端に偏った思想を持っているからだ、特に北朝鮮が好きだったことは覚えておかねばならない。
「だからな」
「教師もね」
「ソ連軍みたいなものか」
「生徒は懲罰大隊でね」
 所謂犯罪者を前線に立たせる部隊だ。地雷原を歩かせたりという最初から死んでもいい様な任務を与えられて後ろに銃を持つ督戦隊がいたのだ。
「それで教師はだよ」
「とんでもない力関係だな」
「というかそうした教師が酷いよね」
「生徒を懲罰大隊みたいなものだって思ってるからな」
「そうしたことが出来るんだよ」
「生徒はゴミなんだな」
「そうした教師にとってはね」
 そうした認識だというのだ。 
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