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レーヴァティン

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第八十二話 最後の一人その八

「骨法の様に」
「そうだな」
「あれはいいことです」
 紅葉も英雄に話した。
「衝撃が身体に浸透します」
「敵のな」
「そこも考えている」
「優れた攻撃だな」
「投げ技が主ですが」
 それでもというのだ。
「しかしです」
「それだけではないな」
「特にでござる」
「間合いを離した時だな」
「そこでも投げられる」
 見れば三メートルは離れていても背負い投げの要領で投げたりもしている。智はその投げを見て言った。
「あの投げ方は」
「見たことがないが」
「はい、気と風を使っているかと」
「そうして投げているか」
「時折双方竜巻も出しているでござる」
 それぞれの腕からだ。
「利き腕を旋回させて」
「横にな」
「あれも風だけでなく」
「気も使ってか」
「放っている技でござる」
 智はこう英雄に話した。
「間違いなく」
「そうだな、随分と多彩な技を使う流派だな」
「柔道とはまた違うでござる」
「柔術は柔術でもな」
「かなり独特で」
 智はさらに言った。
「強い」
「そうした流派だな」
「あれなら素手でもでござる」
「相当な強さだ」
「魔物、それもかなり強力なものまで倒せる」
「そうしたものだな、ただ龍位になると」
 魔物の中で最も強力とされる種族だ、一口に龍と言ってもこの世界では様々な種類のものが存在している。
「どうして戦うか」
「それはおそらく」
 見ればだった、双方共掌底や足にだった。
 気を入れて攻撃を放っていた、智はそれを見て英雄に話した。
「あの様にでござる」
「気を使ってだな」
「戦いそして」
「術もだな」
「使ってでござろう、若しくは」
「武器を持ってだな」
「鉤爪等があれば」
 それでというのだ。
「かなり強いでござるからな」
「だからだな」
「そうしたものを使って」
 そのうえでというのだ。
「龍の様な魔物と戦うこともでござる」
「出来るか」
「そこまで考えると」
「かなり強い流派だな」
「間違いなく、実戦を念頭に置いた」
「そうした柔術だな」
「まさに。そしてあの方の腕は」
 女のそれにも話が移った、見れば女の闘いは。
 師匠であるという老人に引けを取らない、完全に互角のまま見事な勝負を続けている。その勝負を見て言うのだった。 
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