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星河の覇皇

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第六十九部第二章 軍と警察その二十九

「作戦が終わってからです」
「状況を見てですね」
「大統領にもお話したいと思っています」
「では」
「はい、それからです」
「では」
 二人で話してだった、金は八条との話を終えてから彼女から電話を切った。だがこの時にこう言ったのだった。
「今度ですが」
「一体」
「お話をしませんか」
「この件で」
「え、ええまあ」
 金はここで残念そうな声をあげたが八条はそれが何故かはわらかなかった。
「そうです」
「そうですか、では」
「はい、お話を詰めて」
「そうされますか」
「そしてです」
 金はさらに言った。
「その時にお茶と」
「そしてですね」
「甘いものもです」
 それもというのだった。
「そちらも考えています」
「そうですか、楽しみにしています」
「では」
「その時にお話をしましょう」
「今以上に」
 こうしたことを話したのだった、そして。
 電話を切ってだ、金は仕事をしつつ彼女の私設秘書常に彼女を支えてくれている朴美姫に言った。韓国人であり彼女にとっては非常に信頼出来る存在だ。小柄であどけなさが残る顔立ちをしている。アフリカ系の肌にアジア系のストレートの髪の黒い瞳の女性だ。
 その彼女にだ、金は言った。
「内相のお務めが終われば」
「祖国に戻られますね」
「そして大学の学長となりますが」
「その時にですね」
「結婚のお話もです」
「きていますね」
「そしてそのお話をです」
「受けられますか」
「そう考えていますが」
 しかしというのだ。
「貴女にだけお話しますが」
「先程のお話の最後は」
「残念です」
 こう寂しい笑みで言うのだった。
「どうにも」
「やはりそうですか」
「仕方ないですね」
「そういえばあの方は」
「こうしたお話はです」
「始終あられるとか」
「非常に好かれる方です」
 金は朴に話した。
「ご自身はどう思われていても」
「実際に内務省でも人気が高いですね」
「よく言われていることですか」
「こちらでも敏感であられたなら」
 政治に関することと同じだけだ、彼のその勘が鋭ければというのだ。実際に八条は政治的な勘も併せ持っている。
「まさに源氏の君になられていたでしょう」
「源氏物語のですね」
「あの源氏の君はです」
 金はその光源氏の話もした。
「確かに女性に囲まれていて」
「漁色家であることは確かですね」
「はい、しかしです」
「気品があり」
「非常に教養豊かであり人格も優れているので」
 そうした多くの美点を持っているからなのだ。 
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