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八条学園騒動記

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第四百九十二話 再びざわざわその七

「負けてると特に凄いんだよ」
「そんなにですか」
「凄い荒れ方するんですね」
「そうした人は大人しくしてもらってな」
 そうしてというのだ。
「一気に酔い醒ますお水飲んでもらってな」
「あっ、スポーツドリンクとかですね」
 すぐにだ、ビアンカが酔い醒ましと聞いて言ってきいた。
「酔い醒ましには」
「ああ、それの強いやつな」
「お薬もありますよね」
「どっちも用意してるさ、けれどお水って言うとな」
「飲んでくれるからですか」
「飲んでもらってな」
 強いスポーツドリンクをというのだ。
「酔いを醒ましてもらってな」
「それからですか」
「帰ってもらってるよ」
「お金を払ってもらうことは」
「それも忘れないでな」
「やっぱりそのことはですね」
「商売だからな」
 おじさんはこのことも話した、三人共休憩コーナーのソファーに座った。そうしておじさんは二人にそれぞれジュースを差し出して言ったきた。
「ほらよ」
「あれっ、持っておられたんですか」
「そうなんですか」
「そうだよ、さっきここで買ったやつをな」
 見ればオレンジジュースとピーチジュースだ、どちらも三五〇ミリリットルの缶の中に入っている。おじさんはコーラだ。
「ずっと持ってたんだよ」
「そうでしたか」
「それをですか」
「やるよ、飲みな」
「すいません」
「何か悪いですね」
「これ位いいさ」
 ジュース位はとだ、おじさんは笑って返した。
「だから気にするなよ」
「それじゃあ」
「飲ませてもらいます」
「じゃあな」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 二人はおじさんから貰ったジュースの缶を空けた、アルフレドがオレンジジュースでビアンカがピーチジュースだった。
 そうして飲みつつだ、二人でおじさんにあらためて尋ねた。
「迷惑なお客さんがいて」
「ヤクザ屋さんも出たり」
「雀荘も大変ですね」
「色々あるんですね」
「まあざわざわの漫画で出て来る中間管理職の人みたいな苦労はないな」
 最初のシリーズで主人公最大のライバルであった人物だ、この時代では相変わらずライバルだったり共闘したり主人公になったりしている。
「流石に」
「ああ、あのキャラですね」
「黒服の部下達を引き連れた」
「あの人いつも苦労してますね」
「特に上司に」
「上司がああだからな」
 会長がである、今も究極の悪役になっている。
「部下も色々あるからな」
「そうですよね」
「何かと」
「癖のある部下ばかりで」
「まとめたり仕事させることに苦労していますね」
「まあ部下はいいけれどな」
 まだましだというのだ。
「問題はな」
「会長ですね」
「つまり上司の人ですね」
「あんな無茶な上司はいないからな」
 幸いなことに、という口調だった。
「だからな」
「おじさんのお店はずっとましですか」
「酔っ払いやヤクザ屋さんのことがあっても」
「あの会長さんみたいな人がいたら」
「ましですね」
「そう思ってるさ、ヤクザ屋さんや酔っ払いをどうにか出来ないとな」
 それこそというのだ。 
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