| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十九部第二章 軍と警察その二十二

「戦争になればです」
「軍人は戦いに出なければなりませんね」
「必ずです」
「即ち命を賭ける」
「リスクが生じます」
「それよりは」
「平和である方がいいです」
 それならば普通に危険なく仕事が出来るからだ。
「その方がいいです」
「それが何よりですね」
「はい」
 その通りという返事だった。
「戦争にならないことこそが」
「最高の状況ですね」
「有事には戦う覚悟があろうとも」
「やはり戦争がない」
「それが軍人にとって最高の状況です」
「そうですね、戦争はです」
 八条も言う、国防の責任者である彼も。
「産業も破壊されお金も使います」
「それも膨大に」
「するものではありません」
「最大限の努力を行い避けるものですね」
「可能なだけ」
「それが戦争ですね」
「特に連合はです」
 彼等のその国はというと。
「戦争をあまり考えていません」
「そうした国家ですね」
「軍需産業があっても」
「大きな分野ではないですね」
 エウロパやサハラと比べると遥かに小さい、連合の軍需産業は連合内では決して大きなものではないのだ。
「ありましても」
「はい、小さなものです」
「実際に」
「軍需産業は設備と技術に常に莫大な投資が必要ですが」
「市場は限られている」
「決して採算の取れるものではありません」
 八条は軍需産業、特に連合のそれを話した。
「効率よく」
「むしろ生活用品を売った方がいいですね」
「その方が遥かにです」
 それこそというのだ。
「実入りがあります」
「そういうものですね」
「連合軍にもです」
 その彼等の軍の話もするのだった。
「兵器を売るよりも」
「むしろ生活用品や被服を売る業者がいてです」
「どの基地にもですね」
「そうした業者の方がおられて」
 コンビニの様な売店が基地の中にありクリーニングの出店や食堂まで出されている程である、民間の契約した業者達によって。
「そして」
「そのうえで」
「商いをしておられますね」
「特に被服や靴、帽子ですね」
「官品を支給されますが」
 そうした被服が入隊と共にだ、下着以外は一式支給される。
「しかし」
「私物の方がですね」
「着心地がいいので」
「殆どの方が買われていますね」
「むしろです」
 ここで苦笑いになって言うディカプリオだった。
「業者の方にです」
「言葉巧みにですか」
「買わされている様な」
「そうした状況ですね」
「実際は」
「連合ではそうですね」
 八条も苦笑いになって言う。
「そこは」
「では長官も」
「日本軍にいた時は」
 そこで経理将校として勤務していた時はというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧