八条学園騒動記
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第四百九十二話 再びざわざわその一
再びざわざわ
加藤清正が異常なまでに強いゲームをクリアしてだった、ビアンカはアルフレドに対してゲーム機から立ち上がってから尋ねた。
「それでどうするの?」
「これからだな」
「ええ、本当に少し時間があるけれど」
「そうだな、色々ゲーム機見て回るか」
アルフレドはビアンカにこう提案した。
「そうするか」
「ああ、そうしてなのね」
「楽しむか」
「いいわね、どんなゲーム機あるか見るだけでもね」
「ゲームセンターは楽しめるな」
「自分が遊ぶだけでなくね」
「他の人がやってるのを見たりしてな」
ただし他の人のプレイに横からあれこれ言うことはこの時代でもマナー違反である、静かに見るべきなのだ。
「そうしても楽しめるからな」
「だからなのね」
「そうするか」
「そうね、それじゃあ」
「暫くそうするか」
「ええ、そういえば」
ここでビアンカはふと思い出した顔になった、そのうえで兄に言った。
「ここの地下一階にギャンブルゲームのコーナーあるけれど」
「ああ、麻雀のゲームもだな」
アルフレドも察して妹に応えた。
「あるからだな」
「そう、それでね」
「あのざわざわもか」
「見る?」
「デモ画面でもだな」
「ええ、それで人がやっていたら」
その場合はというと。
「余計にね」
「見てだな」
「そうして楽しみましょう」
「本当にざわざわが聞けたらな」
「運がいいってことで」
そう考える様にしてというのだ。
「それでね」
「よし、じゃあな」
「地下行くのね」
「そうしような」
実際にとだ、アルフレドはビアンカに返事をした。そうしてそのうえで二人で今自分達がいるフロアからエレベーターで地下一階に行った。
するとそこにも多くのゲーム機があってだった、その全てが麻雀やトランプそれに花札や賽子のゲームがあった。
中には競馬のものもある、アルフレドはその競馬のゲームがフロアの中央でにぎわっているのを眺めつつ一緒にいるビアンカに言った。
「この階が一番雰囲気が違うな」
「独特よね」
ビアンカもこう応えた。
「本当に」
「他のフロアはゲームをしている感じだがな」
「そうそう、UFOキャッチャーはUFOキャッチャーでね」
「しかしこのフロアは」
「ギャンブルね」
文字通りのというのだ。
「それよね」
「ああ、それだけにな」
「危険な香りもするわね」
「金を賭ける雰囲気がどうしてもあるからな」
「実際はコインを入れて遊ぶにしても」
こうした風に言えばゲームセンターのギャンブルのゲームも他のゲームセンターのゲームと同じである。
しかしだ、そこは同じでもなのだ。
「ギャンブルの遊びをするから」
「どうしてもな」
「そうした雰囲気はあるな」
「そうなのよね」
「だからこうした雰囲気か」
極めて独特の、というのだ。
「そうなんだな」
「ええ、それで結構人も多いわね」
「おじさんおばさんが多いな」
見れば四十代の人達が結構座って遊んでいる。
「他のフロアは若い人が多いが」
「そこも独特ね、じゃあそのざわざわのね」
「そのゲーム探すか」
「そうしましょう、ただあの漫画のシリーズに出て来る」
ここでだ、微妙な顔になって言うビアンカだった。
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