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星河の覇皇

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第六十九部第二章 軍と警察その十六

「兵器を一新し」
「その兵器の建造でもですね」
「金を動かしています」
「人も雇い」
「軍需産業も産業ですので」
「産業を動かす」
「そして経済の活性化も行わせています」
 そうしてというのだ、ギルフォードは兵器を大々的に建造することによっても金を動かしているのである。
「そこまで考えています」
「ヒトラーですね」
「彼の経済政策ですね」
「それを行っていますね」
 八条は腕を組んで述べた。
「兵器の製造からも産業を起こし経済を活性化させる」
「まさにですね」
「軍需産業ですが」
 今度はこの産業の話をした。
「確かに雇用が確保出来経済も動きますが」
「しかし、ですね」
「はい、設備や技術への投資が大きく」
「市場もですね」
「限られています」
「実入りはですね」
「ありません」
 これが実際だというのだ。
「ですから連合ではです」
「あまり重要な産業ではないですね」
「はい」
 国防長官として言うのだった。
「それが軍需産業で」
「積極的に産業としては」
「育成してもです」
「実入りがありませんね」
「活性化はさせますが」
 経済をだ、これは確かにだというのだ。
「兵器は多過ぎても仕方ありません」
「市場は限られていますし」
「消費もですね」
「戦争をすれば別ですが」
「戦争も」
「それもおいそれとは出来ません」
 特に今のエウロパの様に疲弊した状況ではだ。
「そうなっています」
「そうですね」
「しかし、どうも」
「あの総統殿は」
「それだけではないですね」
「そうでしょうね」
「軍需産業ははじまりで」
 確かに起こしたがというのだ。
「そこからですね」
「その産業を民間に移行させ」
「民間産業としてですね」
「維持していくでしょう」
「そのかなりの部分を」
「そうしていくでしょう」
 軍需産業は採算が取れない、だからというのだ。
「あの国は」
「そうなりますか」
「兵器も気になりますが」
 八条は考える顔になりディカプリオに述べた。
「問題はその後です」
「民間産業ですか」
「ヒトラーは何故軍需産業を育てたか」
「後のことを見据えてでしたね」
「はい、彼は戦争をする気でした」
 彼が我が闘争で主張していた通りだ、彼は生存圏ゲルマン民族のそれを確保する為に政権に就く前から戦争を考えていたのだ。
「その為にもです」
「軍需産業を育てていましたね」
「しかしです」
「あの総統殿は」
「戦争は考えていません」
「我々に対することは考えていても」
「それでもです」
 エウロパ、この国はというのだ。 
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