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おぢばにおかえり

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第四十七話 合格発表その十五

「だから悪いけれどね」
「先輩が飾られるんじゃなくて」
「詰所でね」
「僕から先輩への贈りものってことで」
「飾ってもらうわ、絶対に粗末にしないから」
 このことは約束しました。
「安心してね」
「はい、それは僕もわかってるつもりです」
 阿波野君の返事は素直なものでした。
「貰ってもですよね」
「ええ、私自身で持ってるひことは難しいから」
「そうするんですね」
「気を悪くしないでね」
「さっきお話した通りに」
 今も素直な返事でした。
「そうしたことはわかってます」
「それじゃあね、さてこれからは卒業までね」
 本当にその時までです。
「おさづけもあるし」
「お正月のひのきしんもありますし」
「身を慎んでやっていくわ」
「そうされるんですね」
「あとはね」
 阿波野君にさらにお話しました。
「卒業したら詰所に住まわせてもらうから」
「詰所にですか」
「ええ、あそこに住んでね」
 そしてと阿波野君にお話しました。
「学校に通わせてもらって」
「それで詰所でひのきしんですね」
「そうさせてもらうわ」
「寮もありますよね、天理大学は」
「あるけれど詰所にって思ってるの」
「それはどうしてなんですか?」
 阿波野君は私にその理由を聞いてきました。
「詰所がいいって言われる理由は」
「詰所が今人手不足なの」
 私はこの現実をお話しました。 
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