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英雄伝説~光の戦士の軌跡~

作者:トロイヌ
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第十一話

 
前書き
我ながら遅筆と要領の悪さにウンザリする・・・ 

 
ブルブランとの会話の後、カイムとアリサは特に問題なく街頭の交換を終えていた。
二人で雑談しながら街道の先にある農家に向かい他の三人と合流した後、案の定背に背負った剣について三人(主にラウラ)から質問されたので、魔獣退治の時にお披露目すると約束し話を終わらせた。
その後、折角だから奥も見てみようということになり先にあるルナリア自然公園の前まで来たのだが……


「……ん、何だお前たちは?」

「見ての通り今は立ち入り禁止でな。悪いが出直してもらおうか?」


少々ガラの悪い管理人に追い払われてしまった。
アリサが態度の悪さに腹を立て周りが窘めている中、カイムは先程の管理人という男達について考えていた。


(態度が悪いのもあるがただの管理人にしては立ち振る舞いが物騒だそれに……何かあったら調べるべきか?)


とりあえず何も無ければ手は出せないが何かあれば探ろうと内心決めていた。
そしてケルディックに戻り休憩として昼食を食べた後、今度は東ケルディック街道の手配魔獣の討伐に出発した。


「確か魔獣はスケイリーダイナだったか。」

「ああ、そうだ。知ってるのか?」

「尻尾の強打とかみつきが強いな、ミノスデーモンよりも素早いから注意しろよ?」

「あいつよりも速いのか~……。」

「まあ今回はカイムが剣のお披露目がてら戦ってくれるのだからそう気負わなくてもいいのではないか?」

「そうね、カイムがヘマしなければだけど。」

「言ってくれるなおい……っと気付いたか。」


カイムが周りの発言にジト目になっていると魔獣が五人に気付き、咆哮を上げながら突進してきた。


「じゃあ下がってな、じゃないと俺が避けたりしたら飛び火するぞ。」

「わかった、期待してるよ。」

「気をつけてね?」

「ああ、まあ久しぶりだから安全第一でいくわ。」

「うむ、少し残念だがまあそこは仕方ないだろう。」

「頑張って!」


四人の言葉を背に受けながらカイムは刀ではなく剣を抜き向かってくる魔獣に歩いていった。
魔獣は突進の勢いを利用し体を回転させ尻尾を叩きつけようとするがカイムは剣を横に振るい斬りおとす。
それにより少しよろめいたが両足を踏みしめよろめきを止めた後、口を開いて噛み付こうとするがカイムそれを横に避け剣を再び横に振り面の部分で顎を打ち抜く。
顎という急所部分を打ち抜かれたため先程以上にふらつく魔獣にカイムはトドメを刺す為に近づき、剣に雷を纏わせ振り上げる。


「じゃ、悪いな……剛雷剣!」


そこまで勢いをつけていないにも関わらずまるで落雷が落ちた様な一撃に、魔獣はまともな叫びすら上げられずに絶命した。
それを見届けたカイムは剣を収め、四人の方へと向かった。


「終わったぞ、って何だその顔。」

「いや、何だって言われても……。」

「まず攻撃をギリギリまで引きつけるのは安全じゃないわ。」

「しかも久しぶりとか言ってた割りに威力が凄い技出してたし……。」

「我々に嘘を言っていたのか?」

「そうか?同門の剣士も普通に使ってたんだがな。」

「どんな超人集団にいたのよあなたは……。」


アリサの例えにエリオットは同意するように頷き、リィンはカイム以外にも心当たりがあるため苦笑い、ラウラは「父上以外ならクラウスなら……しかし他の門下生となると……」などとぶつぶつ呟いていた。










手配魔獣の退治も終わり五人は帰路についていた。
道中は手配魔獣を倒してもらった代わりとしてカイム以外の四人が魔獣を倒しながら進む事になった。
元々前衛後衛がしっかり分かれ仲違いもしていないメンバーだったのでカイムに出番が回る事はなかったが、途中でラウラが少し不満げな視線をリィンに向けていたのがカイムは気がかりではあった。
そのまま順調にケルディックまで戻り、街の中に入ると大市の方で騒ぎが起きており何事かと見に行ってみれば二人の男性が今にも暴力沙汰になりそうな剣幕で言い争っていた。


「ふざけんなあ!! ここは俺の場所だ! ショバ代だってちゃんと払ってんだぞ!!」

「それはこちらの台詞だ! 許可証だって持っている! 君こそ嘘を言うんじゃない!」


内容を聞く限りどうやら店の場所取りを巡って言い争っているらしい。
どうやら両者共に同じ場所の許可証を持っているらしく、お互いに一歩も引いていなかった。
このままでは本当に殴りあいになりかねない為、カイムが割って入っていった。


「はいはい、二人とも冷静に。このままじゃ両方とも追い出されかねませんよ。」

「な……!」

「いきなりなんだね、君は!?」

「現所属はトールズ士官学院の学生ですがここは本来の役職で名乗らせてもらいます……エレボニア帝国軍第三機甲師団所属カイム・グレイス中尉です。領邦軍もしくは元締めが来るまで臨時で自分がこの場を仕切らせて頂きます。」

「て、帝国軍!?」

「そ、それにグレイスといえば……。」


カイムは国内では本人曰く無駄に有名である。
皇女の誘拐阻止に始まり≪帝国遊撃士協会支部連続襲撃事件≫の解決に助力、その足でリベールに戻る遊撃士に連れられた後、オリヴァルト皇子と共に≪リベールの異変≫の解決にも一役かっているからだ。
正規軍という立場と本人の名前で萎縮した様子を見てカイムは二人の頭が冷えている内に話を進めた。


「お二人の間で起きた問題は先程の言い争いで理解しています。よろしければ許可証を見せて頂けますか?この場合それが一番早い。」

「わ、分かった……。」

「う、うむ……。」


敬語ではあるが凄みのあるカイムの言葉に押され二人は素直に許可証を差し出した。
カイムは二人の許可証を見比べた後、溜息をつきながら話を進めた。


「結論から言わせて貰えば両方とも本物です。」

「「なっ!?」」

「領主が同じ場所に出されたようですね、お二人の主張は両者共に正しい。故にお二人ではこれ以上どうしようもありません。無論自分にも。」

「ならどうすれば……。」

「元締めと話し合い決めてもらいましょう、ちょうど到着されたようです。」


そう言いながら大市の入り口に視線を向けるとそこにはケルディックの大市をまとめ上げているオットー元締めが向かってきていた。


「お久しぶりです、オットー元締め。」

「ああ、久しぶりだなカイム君。どうやら騒ぎが大きくなり過ぎる前に止めてくれたようで感謝するよ。」

「いえ、これも仕事の内です。」

「そう言ってもらえると助かるよ。実習の事は聞いている、この場は私が引き継ぐから君達は課題を続けなさい。このケルディックでの実習が君達のこれからの助けになると嬉しい。」

「ありがとうございます……ところで少しお願いが。」

「ん?何かね?」

「大した事ではないんですが……。」


オットー元締めの言葉にカイムは頭を下げ礼を言い少し頼みごとをして了承を貰った後、他のメンバーを促し大市から出て行った。
大市から出た所でカイムは伸びをしながら話し始めた。


「あー疲れた、やっぱああいうのは慣れんな。」

「はは、お疲れ様。」

「でも何というか、別人みたいだったわね。」

「これでも軍属なんでね、それに皇族の護衛だし。」

「それが何か関係あるのか?」

「ヒント1、≪リベールの異変≫前のオリヴァルト皇子。」

「……なんだろう、ちょっと納得しちゃった。」

「本当に大変だったよ、色々巻き込まれて変な技能ばっか覚える必要に迫られて……。」

「は、ははは……。」


≪リベールの異変≫が解決する前のオリヴァルト皇子は母親の立場が低い為に皇位継承権が無かった。
当時はあまり表には出ておらず名が知られていなかった為、あちこちを飛び回っておりそれによくつき合わされていたのだ。
その過程で始末書だの旅先の本物偽者多種類の書類やらなにやらを処理したり見てきたため、結果的にある程度育っていた鑑定眼がかなりのレベルになったのだ。
四人は当時を思い出し死んだ目で黒いオーラを纏いブツブツ言い始めたカイムを正気に戻し宿に戻っていった。










宿でレポートを進めながら休憩をしているとオットー元締めの使いという人がA班を尋ねて来た。
先程の件の礼と話がしたいと言う事で元締めの家に来て欲しいとのことであった。
カイム以外の四人は何もしていないと断ろうとしたのだがカイムが社会勉強になると四人を説き伏せ全員で向かう事になった。
オットー元締めの家に入り、多少の雑談をした後に大市の騒ぎの話題がでるとやはり気になっていたのかラウラがその件について質問を投げかけた。


「しかしご老人……市の許可証というのは本来領主の名で発行されるもの。今回のような手違いはいささか腑に落ちぬのだが。」

「確かに……領内の商いの管理は領主の義務でもある筈だし。」


ラウラに続いてリィンも疑問をあげるとオットー元締めは困ったように話し始めた。
最近になってクロイツェン州を収めるアルバレア公爵家が大幅な売上税の引き上げを敢行、前年度に比べて収める税の割合が格段に跳ね上がってしまったのだ。
儲けが少なくなるなら商人達はそれを補う為に必死に売り上げを伸ばそうとする。
そしてそうした空気はすぐに蔓延し、先程のような事が起きやすくなるのだ。
無論オットー元締めとて黙って見ていた訳ではない。
幾度と無くバリアハートの公爵家に増税取り止めの陳情をに向かったが取り合ってもらえずに門前払い、その状況が二月も続いているのだ。


「さっきの様子だとその頃から領邦軍も動いてないのでは?」

「鋭いのう、その通りじゃ。」

「何とも分かりやすい嫌がらせだこって。」


カイムと元締めのやり取りで他の四人の疑惑が確信に変わった。
つまり一連の事件は全て陳情を取り消させるためのアルバレア公の嫌がらせである。
その事に全員が呆れ顔をしかめていると、オットー元締めが安心させるように口を開いた。


「まあ、君達が気にすることではない。これはワシら商人の問題じゃ。君達は『特別実習』に専念しなさい。」


その言葉を最後に話は終了し、お茶を飲み終えオットー元締めに礼を言って五人は家を出た。
そして少し離れた場所で五人は先程の話について議論していた。
自分達でも何か出来ることはないかと。
しかし自分達が学生である以上、必要以上の介入は越権行為になりオットー元締めにも迷惑がかかる。


「いっそユーシスに頼むとかカイムがこのまま元締めと解決するとか出来ないの?」

「そりゃ無理だ。ここはアルバレア公の領地で俺は貴族とはいえ爵位は下、しかも正規軍だ。さっきのは喧嘩の仲裁だから言い訳も出来るがそれ以上に踏み込むとなるとな。ユーシスに頼んでも当主が決めた事だから流石に覆せねえよ。」

「やっぱり無理かぁ……。」

「──うんうん。悩んどるみたいね、青少年達。」


議論をしていると横から聞き覚えのある声が聞こえそちらを向くとサラが立っていた。
何故いるのか話を聞くとどうもB班の状況が予想以上に悪いらしくフォローに向かうようだ。
こちらは五人に任せると言った後、駅に行く途中にカイムの横を通る際に囁いた。


「任せたわよ?」

「分かってるさ。」


そう小声で話した後、サラは駅に入って行った。
 
 

 
後書き
シトナイは爆死、ソルも貯めたラピスが全て無駄になりました・・・アビーとエレちゃんは当てたいです。 
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