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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2224話

 セイラのMS操縦云々の件については、結局なし崩し的に了承される事になった。
 ……実際、一国の女王が、それもセイラのようなまだ10代の金髪美人が最前線に立つという事になれば、間違いなく……それはもう、確実にルナ・ジオン軍の士気が上がるだろう。
 それも、ちょっとやそっとではなく、天井知らずに士気が上がるのは間違いない。
 そんな訳で、次に問題になるのは誰がセイラにMSの操縦を教えるのかという事になったのだが……

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 俺の視線の先では、セイラが走っている。
 その額には汗を掻き、かなり息も上がっているのを見れば、結構な距離をセイラが走っている事を示していた。
 ……そう。結局MSの操縦訓練を誰がやるのかという事になって、その白羽の矢が立ったのは俺だった。
 正確には、最初にその役割を任されそうになったのはシーマだったのだが、現在のシーマはアイナに訓練をした時とは違って、色々と忙しい。
 ましてや、海兵隊風の訓練をセイラにするのは色々と不味いという事もあって、シーマ自身がそれを断って……他にMSの操縦技術で高い能力を持っており、その上でセイラに教える事が出来る者は……となって、誰も適任者がいなくなってしまう。
 何より大きかったのは、セイラが女王としての仕事に時間を取られてしまい、MSの操縦訓練に割ける時間はそう多くないというのが大きかった。
 そんな訳で、セイラは魔法球の存在も知ってるから……という事で、俺が引き受ける事になった。魔法球云々について話題には出さなかったが。
 実際、魔法球があれば女王としての仕事の合間に1時間だけ休憩時間を作るというのは、そこまで難しい話ではない。
 ……そして休憩時間になったと俺に連絡が来れば、即座に影のゲートを使ってセイラを拾い上げ――影のゲートだから沈み下げか――て、ホワイトスターの魔法区画に移動して魔法球の中に入る。
 そんな生活が、既に数日行われていた。……ちなみに、セイラはこの魔法球を使っている間だけは時の指輪の受信機を使って不老化している。
 もっとも、セイラの場合はMSの操縦訓練云々よりも、まずは基礎体力訓練だったり生身の戦闘訓練だったりの方を先にやっているのだが。
 ラルやアンリもMSの操縦訓練に関しては色々と思うところがあったらしいが、生身での戦闘訓練や基礎体力訓練の類には賛成だった。
 曰く、女王という立場である以上、いつ暗殺の危険があるか分からないから、と。
 セイラに以前聞いた話では、地球でラルの父親と共に暮らしていた時にザビ家と思われる相手から暗殺者を送られ、ラルの父親はそれで死んでしまったらしい。
 そう考えると、ルナ・ジオンという国の女王となった今のセイラに暗殺者が送られるという可能性は、決して否定出来ないのだ。
 また、女王という立場にある以上、その仕事の多くは机に座っての仕事となり、どうしても体力的な問題が出てくる。
 そういう意味でも、今回の一件はルナ・ジオンにとって決して悪い事ではないらしい。
 ……まぁ、だからといって、まさか魔法球を使って訓練をしてるとは思わないだろうが。
 ただ、個人的な希望としては、セイラにはいざという時のことを考えて、生身でもある程度――シャドウミラー基準で――の戦闘力を得て欲しいというのは、間違いない事実だ。
 瞬動とか使えるようになれば、拳銃とかを使われても回避出来るようになるだろうし。
 もっとも、気や魔力を使いこなせるようになり、銃弾を指で摘まみ取るようなところまでには、なって欲しくないとは思うが。
 それと、トレーニングのしすぎでセイラの外見を大きく変えるのも、不可だろう。
 今のセイラは、UC世界においてもその美貌でかなり人気が高い。
 そんなセイラが、ボディビルダーみたいな身体になったら……うん、少なくても今の人気を維持は出来ないだろうな。
 そんな訳で、トレーニングをさせるにしても、ムキムキにする訳にはいかないのは当然だった。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」

 目標にしていた距離を走りきり、セイラは地面に座り込む。
 大の字になって地面に倒れ込むといった真似をしなかったのは、セイラにも女王としての自覚があるからか。

「ほら、タオル。それと飲み物。脱水症状にならないよう、気をつけろよ」

 そう言い、空間倉庫から取り出したタオルとスポーツ飲料のペットボトルをセイラに渡す。
 本来ならこういう時は常温になったスポーツ飲料がいいらしいんだが……どうせ飲むのなら、冷えたスポーツ飲料の方がいいよな。

「はぁ、はぁ、はぁ……ふぅ。ありがとう、アクセル」

 息を整えつつ、セイラは俺から受け取ったタオルで汗を拭き、スポーツ飲料を口に運ぶ。
 その白い喉が動いてスポーツ飲料を飲む様子は、健康的な色気に満ちている。
 正直なところ、この光景を見ることが出来るのなら、喜んで金を払うと言ってくるような者がいてもおかしくないくらいには。
 そんな風に考えていると、女の勘か、もしくはニュータイプ能力でかは分からないが、セイラがスポーツ飲料を飲むのを止め、どこか責めるような視線をこちらに向けてくる。

「アクセル、何か妙な事を考えていない?」
「何がだ? 俺は特に何も妙な事は考えてないぞ」

 そう惚けるが、セイラの俺を見る視線から疑惑の色が消えたりはしない。
 本当に何らかの能力でこっちの考えを見抜いてるんじゃないだろうな?
 微妙に嫌な感じがしながらもその視線を受け止めていると、やがてセイラは視線を逸らす。

「まぁ、いいわ。男の人がそういう風なのは私も分かってるから」

 何だか凄い誤解をされたような気がするんだが、その辺はどうなんだろうな。
 いや、本当に。
 けど、それに対して何かを言おうものなら余計にドツボに填まりそうな気がして、それ以上は口に出せない。
 セイラもそれ以上は何も言わず、息を整えることに集中する。
 そうして数分……息を整え終わったところで、次の訓練に移る。
 腕立て、腹筋、背筋、スクワット……実は腹筋というのは普通にやられている腹筋運動、足を押さえて頭の後ろで手を組んで起き上がるという奴なのだが、それよりもクランチという運動の方が身体にもいいらしいのだが……セイラにしてみれば、腹筋と言えば普通の腹筋の方がいいと、俺が足を押さえて腹筋運動を行っていた。
 実際、身体の調子が悪いのなら、レモンや近衛に治して貰うという手段があるというのも大きい。
 そうして筋力トレーニングをある程度したところで……俺がここに呼んでいた2人が到着する。

「悪いね、ちょっと待たせたかな? 凛の方の仕事がちょっと終わらなくてね」
「ちょっと、綾子。しょうがないじゃない。政治班は忙しいんだから。ルナ・ジオンだけに任せておけない事もあるし、UC世界以外でも色々と交渉する必要があるのよ」

 そう言いながら姿を現したのは、凛と綾子という俺の恋人の2人。
 どちらも、生身での戦いという事に限定すれば、シャドウミラーの中でも有数の実力を持つ。
 特に綾子は半サーヴァントという身の上である以上、その身体能力は極めて高い。

「貴方達は……」

 筋力トレーニングが終わったセイラも、当然ながらこの2人の存在については知っている。
 何だかんだと、セイラもホワイトスターにある俺の家に来た事もあるし、そこでシェリルに色々と演技指導をされたりしていたのだから。
 だからこそ、凛と綾子の2人も、セイラに向かって笑みを浮かべて軽く手を振るような余裕があった。

「久しぶり。まさか、一国の女王様がこんな風に訓練してるとは、UC世界の人は殆ど思ってもみないでしょうね」

 凛がセイラの様子を見て、そんな風に告げる。
 声を掛けられたセイラの方も、数秒だけ驚いた様子だったが……それでも、すぐに我に返って笑みを浮かべる。

「お久しぶりですね。それにしても貴方達2人が来るとは……正直、驚きです」
「そう? 生身での戦闘訓練をやるなら、アクセルよりも私達の方がいいわよ? ……取りあえず、エヴァは絶対に向いてないわ」
「うん、それはあたしも賛成する。普通の……一般人がエヴァの訓練に参加すれば、それこそ文字通りの意味で氷漬けにされるし」

 凛の言葉に、綾子がしみじみと呟く。
 そう言えば、以前エヴァとの戦闘訓練で綾子は氷漬けにされていたな。
 その状況からでも、半サーヴァントとしての力を使って何とか脱出していたが。
 あれにはエヴァも感心していた。
 ……とはいえ、エヴァもかなり手加減をした魔法だったらしいが。
 ともあれ、そんな経験のある綾子にしてみれば、まさかセイラにエヴァとの戦闘訓練をやれとは言えないのだろう。
 俺には元からそんなつもりはないのだが。
 セイラがやるのは、あくまでも自分の身を守る程度の実力を得る事であって、シャドウミラーの平均的な戦力をその身に宿す事ではないのだから。
 いやまぁ、本当の意味でシャドウミラーの平均レベルの力を身につけられるのなら、それが最善なんだろうが……それをセイラに求めるのは無理だろう。
 正確には、無理ではないだろうが必要はないといったところか。
 実際に、UC世界においてシャドウミラー級の力が必要になるかと言われれば、それが必要になる事は……皆無とは言わないが、非常に希少だ。
 ましてや、その大半は今セイラが得ようとしている力の程度があれば、それで十分なのは間違いない。
 ……とはいえ、そういう意味では凛や綾子も十分に過剰戦力と呼ぶに相応しいだけの実力を持っていたりするのだが。

「そんな訳で、セイラの生身での戦闘についてはエヴァじゃなくて凛や綾子に任せる事になった。……実際、凛や綾子が言うように、俺の生身での戦闘はUC世界においてはあまり有効的ではないしな」

 魔法とかそういうのを前提にしているので、セイラにとってはあまり為にはならないし。
 あー、でもセイラは高いニュータイプ能力を持っているのを考えると、それを活かした戦闘とかを編み出してみても面白いかもしれない。
 もっとも、ニュータイプ能力というのは敵が攻撃してくるタイミングや場所が分かるといった事が多いらしいので、瞬動や虚空瞬動を使いこなすシャドウミラーのメンバーにしてみれば、その辺りを読まれても特にどうという事はないというのが、正直なところだが。
 そんな風に考えている中で、早速凛と綾子はセイラに戦い方を……その基礎となる身体の動かし方を教えている。
 もっとも、凛は八極拳と魔術を使いこなす戦闘方法だから、半サーヴァントとしての高い身体能力を活かすという戦闘方法の綾子の方が、まだセイラの戦い方には向いているだろう。
 ああ、でも凛は最近ネギま世界の魔法とかも使うようになっていた筈だから、そっちをセイラに覚えさせるというのはありか?
 感覚的なもので何の確証もないが、ニュータイプというのはネギま世界の精霊魔法と相性が良いような気がするし。

「いい? まず狙うのは……急所よ。特に男は、股間を蹴るというのは大きなダメージになるの」

 ……おい、凛。何をえげつない方法を教えているんだ。
 凛の教えが決して間違っているという訳ではないのだが、その攻撃方法は男にとって致命的なまでに痛いぞ。
 勿論、いわゆるファウルカップのような、そういうのもあるんだが……それがあっても、股間を蹴られるなどという真似は、男なら絶対にされたくはないだろう。

「それは……その……」

 セイラも医者を目指していただけあって、その辺の何も知らない女よりは男の身体に詳しい。
 そんなセイラではあったが、凛の言葉の意味に顔を赤らめる。
 まぁ、セイラの性格を考えれば、それはしょうがない事なのかもしれないが。
 ちなみに綾子は、そんな凛の言葉に若干呆れの表情を浮かべていた。
 純粋な身体能力という点では凛を遙かに上回る綾子にしてみれば、それこと男の股間を攻撃するような真似をしなくても、普通にごり押しでどうにかなるからだろう。
 ましてや、綾子が愛用している物干し竿があれば……UC世界を含め、大抵の敵はどうにか出来るだろうしな。
 その上、綾子はトールギスⅢのパイロットも務めているので、MSの操縦を教えるにもぴったりだ。
 ……とはいえ、W世界とUC世界のMSでは操縦系統とかかなり違うのだが。
 あ、W世界といえば……純粋にセイラに生身での戦いを教えて、魔法とかそういうのを一切関係なくって事なら、凛や綾子じゃなくて五飛でも呼べばよかったか?
 五飛も一応は魔力とか気とかを理解しているが、そちらはまだ習得中という一面が強い。
 そういう意味では、やはりセイラと一緒に生身での戦闘訓練をさせた方が面白いような……
 そんな風に思いつつ、俺は凛と綾子の戦闘訓練を眺めるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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