| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十八話 山の頂上の仙人その六

「どうにも」
「けれど実際にとよ」
「お好きですか」
「そうたい、お野菜なら南瓜に春菊、お葱にほうれん草たい」
「身体にいいものが多いですね」
「お鍋にお豆腐も欠かせんとよ」
 笑顔でこちらもというのだ。
「そしてケーキが大好きたい」
「どうも甘党に思えますが」
「実際にそうたい。ただ」
 それでもとだ、仙女は夕子に笑って返した。
「お酒も好きとよ」
「そちらもですか」
「ただ日本酒よりも」
 こちらの酒よりもというのだ。
「洋酒が好きたい」
「ウイスキーやワインですか」
「そちらの方が好きたい」
「洋酒は甘いものと一緒でも飲めますしね」
「それが大きいとよ」
 まさにとだ、仙女は夕子にまた笑って返した。
「洋酒は」
「だからですか」
「そうたい、しかし」
「こちらの島ではですね」
「洋酒は少ないたいからな」
 このことは残念そうに言うのだった。
「日本酒を飲んでいるたい」
「我慢してですか」
「そもそもこちらの島ではケーキも珍しいたいな」
「そこも大きいですね」
「それでたい」
 だからだというのだ。
「そうした楽しみは起きた時に」
「楽しまれてるぎゃ」
「そうたい、それで本題に入るたいが」
「ここに来た訳はだ」
 英雄は仙女のその本題という言葉にすぐに応えて述べた。
「俺達はこの島、そしてこの世界を救う為にな」
「まずはたいな」
「十二人、外の世界から来た奴をだ」
「集めているたいな」
「だからここにも来た」
 こう仙女に述べた。
「八丈島にな」
「そしてこの山に」
「そうたいな、じゃあ」
「返事を聞きたいが」
「そんなことはもう決まっているとよ」
 笑ってだ、仙女は英雄に答えた。
「もう」
「そうか、では聞く」
「一緒に行くとよ」
 はっきりとした返事だった。
「あんた達と」
「仲間になるか」
「なるたい」
 また答えたのだった。
「そしてたい」
「そうしてだな」
「この島そして世界ば救うたい。この世界は」
「厄介な状況だな」
「この島にしてもたい」
 世界だけでなくというのだ。
「沢山の豪族に分かれていて戦ばしていて」
「魔物も多いな」
「お世辞にも平和ではなかとよ」
「だからだな」
「統一して確かな政して」
「魔物もだな」
「いなくなることはなかと」
 これはないというのだ。
「それにいなくなってもそれはそれで」
「駄目だな」
「魔物も生態系に中におるとよ」
 自然のその中にだ、この世界ではそうなっているのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧