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レーヴァティン

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第七十七話 八丈島その八

「わたくしも最近肩が」
「凝ってるっちゃな」
「結構困っていまして」
「何か凝るっちゃな」
「はい、最近」
「クーラーで身体が冷えてるせいかっちゃ」
「夏も凝りますよね」
「冬は勿論でっちゃ」
 この季節だけでなく、というのだ。
「夏もっちゃ」
「特に最近は」
「それでもっちゃ」
「はい、お風呂で癒されるのなら」
「入るっちゃ」
「そうしましょう」
「それがいいぜよ」
 当季も笑っていいと述べた。
「肩凝りは放っておくと駄目ぜよ」
「重くなると大変だそうですね」
 良太も言ってきた。
「どうも」
「頭が痛くなるっちゃよ」
 愛実が良太に話した。
「肩が動かなくなってっちゃ」
「そこまでなりますか」
「そうなるっちゃ」
「そこまでなると」
「本当に辛いっちゃよ」
 愛実は真剣な口調で話していた。
「もう風邪よりもしんどいっちゃ」
「それは相当ですね」
「だからっちゃよ。肩凝りがお風呂で解消されるなら」
「是非にですね」
「入ってみるっちゃ。じっくりと」
「そうするといいぜよ。それでこの宿でもぜよ」
「入るっちゃな」
「そうするぜよ」
 こう言うのだった。
「楽しんで、ぜよ」
「この宿は温泉宿でもあったな」
 英雄は当季と違って風呂のことは思い出した感じだった。
「それに蒸し風呂もな」
「そっちも楽しむぜよ」
「そちらの風呂も好きか」
「サウナも好きでのう」
 起きた世界でのことをまた言う当季だった。
「それでぜよ」
「蒸し風呂もか」
「大好きぜよ、特に酒をしこたま飲んで」
「二日酔いになってか」
「その朝にぜよ」
 二日酔いで頭が痛い、そして身体がだるいという二日酔い独特のかなり深刻な症状に陥っている時にというのだ。
「蒸し風呂かサウナに入ってのう」
「そうしてだな」
「酒を抜くのがいいんぜよ」
「汗をかいて一気にな」
「酒が抜けるぜよ、一回入って駄目なら」
 そこまで二日酔いが酷いならというのだ。
「一旦水風呂に入って」
「そしてだな」
「また入るぜよ」
 蒸し風呂そしてサウナにというのだ。
「それで完全にすっきりするぜよ」
「そうなっているか」
「そうぜよ、じゃあ後でな」
「風呂に入るか」
「そして奇麗になって寝るぜよ」
 実に楽しそうに言う当季だった、実際に彼はこの夜酒だけでなく宿の風呂も楽しんだ。そうして夜を過ごしてだった。
 朝になると日の出と共に宿を出た、一行は八条島の奥の方に進んでいくが峰夫は街を出て山に入ったところで英雄に言った。
「仙人、仙女になるとでありますな」
「山でもな」
「奥深くにいるでありますな」
「そこで修行をしているな」
 英雄もこう述べた。 
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