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レーヴァティン

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第七十七話 八丈島その四

「芋、薩摩芋の酒でござる」
「焼酎だっちゃ」
「左様でござる」
「そうだっちゃ、うちは焼酎は殆ど飲んだことがないっちゃから」
「そうだったでござるか」
「お酒は日本酒が多いっちゃ」
「起きた時でも」
「その時はウイスキーっちゃ」
 こちらの酒になるというのだ。
「強いお酒が好きっちゃからな」
「ウイスキーでござるか」
「そうだっちゃ」
 まさにというのだ。
「ロックで飲んでるっちゃ」
「風情があるでござるな」
「これが美味しいっちゃ。ただ」
「焼酎はでござるか」
「飲んだのははじめてっちゃ」
 まさにというのだ。
「けれど美味しいっちゃ」
「焼酎はあるだろ」
 幸正は愛実の今の言葉に怪訝な顔で返した。
「それは」
「それはお米の焼酎っちゃ」
「麦のはか」
「なかったっちゃ」
「そういうことか」
「けれどこんな味なら」
 飲みつつだ、愛実はこうも言った。
「起きた世界でも飲むっちゃ」
「そうしていくんだな」
「安いし丁度いいっちゃ」
 実は焼酎は安い、手頃な価格で多く買えて飲める。
「それならっちゃ」
「あちらの世界でも飲んでいくか」
「ウイスキーも飲んでいってっちゃ」
「そうしていくか」
「肴はお刺身でもいけるっちゃか」
「別にええんちゃうか?」
 耕平は枝豆を食べつつ応えた、今一同の肴は枝豆を茹でて塩で味付けをしたもので焼酎にも合っている。
「お刺身も」
「そうっちゃな」
「天婦羅でもな」
「日本酒と合うものが重なるっちゃ」
「そうちゃうか?それやからな」
「そっちはっちゃな」
「別に一緒でもええやろ」
 日本酒を飲む時と、というのだ。
「それでな」
「そうっちゃな」
「というかウイスキーの時は何がおつまみや」
「胡桃とかピーナツっちゃ」
「そういうものか」
「あと干し肉とか燻製っちゃ」
 こちらもあるというのだ。
「結構ワインと重なるっちゃ」
「洋酒やからやな」
「飲むと一気に酔うっちゃよ」
「アルコール度強いさかいな」
「もうお腹が暖かくなってくるっちゃ」
 飲むとそれでというのだ。
「いいっちゃよ」
「そうなんやな」
「それで結構飲んでるっちゃが」
「ウイスキーな」
「お勧めっちゃよ」
「お酒はワインが身体にええっちゅうけどな」
 耕平はこちらの酒のことも話に出した。
「あれがな」
「アルコール度も適度でっちゃな」
「そや、蒸留酒よりもな」
 ウイスキーも蒸留酒になる、ワインを蒸留酒にすればブランデーになる。
「そして日本酒やビールよりもや」
「身体にええっちゃな」
「そう言われてるけどな」
「じゃあウイスキーよりもっちゃ」
「ワインの方がええかもな」
「そうっちゃ」
「それでどや」
 耕平は愛実にあらためて問うた。 
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