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八条学園騒動記

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第四百八十七話 ざわざわとその五

「絶対に勝てるものではないわね」
「それはそうですね」
「リスクがあってしかもね」
「リスクは大きいですね」
「お金をなくすのよ」
 お金の大事さ、それを念頭に置いての言葉なのは明らかだった。この時代でも金銭の価値は変わらない。
「これ以上はない位無駄なお金の使い方でしょ」
「だからされないですか」
「というか何であんなことをするのか」
「わからないですか」
「する位なら」
 それこそというのだ。
「あれでしょ、ギャンブルする場所の中か近くにお店出して」
「ギャンブルする人目当てのですか」
「商売をすべきよ」
「その方がいいですね、お金持ちになるには」
「ギャンブルで財産築いた人はいないわよ」
 昔の日本では博打で蔵を立てた者はいないという、トータルで観れば大損か損、よくて小銭を手に入れる位だろうか。
「それかその場所を出すか」
「親になるんですね」
「昔の日本だとお寺とかよね」
「神社もでしたね」
「お公家さんのお屋敷とかね」
 京都ではこうした場所でもだったのだ。
「そうした場所を鉄火場にしてたのよね」
「ギャンブルをする場所ですね」
「花札とか賽子使った」
「日本ならではのギャンブルですね」
「それをしていたっていうけれど」
「そうした場所を提供する人にでした」
「なりたいとは思うけれど」
 しかしというのだ。
「自分がやることはね」
「考えておられないんですね」
「一切ね」 
 まさにというのだった。
「私はね」
「そうなんですね」
「というか昔はもっと盛んだったのよね、ギャンブルって」
「他に遊びもなかったですしね」
 娯楽がだ。
「ですから」
「皆やってたのね」
「日本だと賽子も」
 これを使った賭博もというのだ。
「やってたんですよ」
「そうよね」
「それも皇室の人まで」
「ああ、あの人達もなの」
「賽子の目はどうしようもないとか」
「やってるからこその言葉ね」
「はい、まさに」
 白河法皇のお言葉である、この方は他に鴨川の水の流れと僧兵合わせて三つは日本を治めるご自身もどうにもならぬと言われている。
「娯楽がないですと」
「それをしていたのね」
「そうみたいですね」
「そうなのね、けれど今は」
「娯楽はですね」
「他にも一杯あるけれど」
「それでもですね」
 アルフレドも応えて言った。
「やる人いますね」
「あれがね」
「わからないんですね」
「他の娯楽があるなら」
 それならというのだ。
「すればいいのに」
「まあ趣味はですよね」
「その人それぞれで」
「ですからギャンブルも」
 これもというのだ。 
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