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八条学園騒動記

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第四百八十七話 ざわざわとその三

「ここはね」
「そうですか」
「けれどやってはみるわ」
「まずはですね」
「何でもやってみないと」
 それこそとだ、ここでまた言った部長だった。
「わからないから」
「実践ですね」
「まず実際にやってみる」
「そこからですね」
「試行錯誤は付きものよ」
「それもいいと」
「やってみて駄目なら仕方ない」
 演出でもというのだ。
「それならね」
「そして次のことをですか」
「やってみるのよ、そうして何度も違う間違いだと言って」
「舞台をやっていきますか」
「顧問の先生も言ってるの」
 部活のその先生もというのだ。
「失敗を恐れるな」
「だから何でもやってみろですか」
「チャレンジは何度もしろともね」
「言われていますか」
「そうなの」
 まさにというのだ。
「だからね」
「部長さんもですか」
「失敗してもいいってね」
「そう思われてですか」
「やってみるわ」
 そのつもりだというのだ。
「ざわざわもね」
「そうですか」
「そう、そしてね」
 こう言うのだった。
「やってみてね」
「それが成功したら」
「実際の舞台にですか」
「皆に見せていくわ」
 観客達にというのだ。
「そうしていくわ」
「よかったらいいですね」
「本当にそうね、ただ」
「ただ?」
「いえ、しかしこの演出を最初に考えた人は」
 つまり最初に描いた漫画家はというのだ、二十世紀後半から二十一世紀初頭に活躍した日本の漫画家である。
「天才ね」
「いい演出ですね」
「そうよね、インパクトがあって」
「印象に残って」
「今も使われているのよね」
「考えた漫画家は本当に天才ですね」
 部長はまた言った。
「本当に」
「俺もそう思います」
 アルフレドは部長に真剣な顔で答えた。
「天才でないとです」
「考えられないわね」
「普通の発想じゃないですね」
「本当にね」
「日本の漫画家は才能豊かな人が多いわね」
「昔からそうですね」
「ええ、ただね」
「ただ、ですね」
「それが果たして舞台に導入出来るか」
「やってみてそれが失敗すれば」
「もうね」
 それでというのだ。
「諦めてよ」
「成功すればやってみる」
「それでいくわ」
「応援しています」
 アルフレドは部長に実際に応援する声で述べた。
「是非成功して欲しいです」
「その応援受けるわね」
「そうして下さい」
「ではね。それでこのざわざわの元の漫画って」
 その漫画自体の話をする部長だった。 
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