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オズのエリカ

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第三幕その九

「そうなの」
「シェフの人も聞いて作ったから」
「じゃあその人もなのね」
「我が国ではじめて作った人じゃないわ」
 このカレーをというのです。
「どうして伝わったのかしらね」
「あれじゃないですか?レシピの本とかネットとかを読んで」
 ジョージがここで言ってきました。
「それで作った人が最初で」
「それでなの」
「はい、そこから国中に伝わったんじゃないですか?」
 こうアンに言いました。
「よくあることっていいますか」
「そうね、誰かが本を読んで作ったりして広まることはね」
「ネットもありますし」
「オズの国でもよくあるし」
 オズの国にも本やインターネットがあるからです、勿論テレビやラジオといったものもちゃんとあります。
「それじゃあね」
「そういうもので伝わったと思います」
「そうなのね」
「はい、僕はそう思いましたけれど」
「その可能性はあるわね」
「そして実際に美味しいですから」
 それでと言うジョージでした。
「よかったですね」
「そうね。考えてみればこれってね」
 こうしたカレーはと言うアンでした。
「海老フライカレーやカツカレーと一緒ね」
「ハンバーグカレーとも」
「御飯とカレーの主役を置いてね」
「その上にルーをかけるカレーは」
「同じだから」  
 それでというのです。
「このカレーもね」
「同じですね」
「ええ、ただね」
 ここでふと言ったのはエリカでした。
「そうしたカレーって元々日本からよね」
「ええ、そうみたいね」
 アンもエリカに答えました。
「そもそも私達が食べているカレーはね」
「日本のカレーよね」
「インドのカリーがイギリスに伝わってね」
「イギリスじゃパンを漬けて食べるシチューで」
「御飯と一緒に食べるのはね」
 まさにそれはというのです。
「日本のカレーよ」
「カレーライスはね」
「そうよ、それでこうして食べるカレーもね」
 ローストチキン等を御飯の横正確に言えば御飯の上に斜めに乗せてその上にルーをかけるカレーです。
「日本のものよ」
「そうよね」
「それがアメリカにも伝わって」
「オズの国はアメリカが反映される国だから」
「私達も食べているのよ」
「そうなのね」
「何でもね」
 さらにエリカにお話するアンでした、見ればアンもおかわりをしていて二杯目も御飯とローストチキン、ルーを楽しんでいます。
「カツカレーって出来たの結構新しいらしいし」
「あら、そうなの」
「六十数年前かそれ位に出来たらしいのよ」
 その頃の日本にというのです。
「つまり貴女がオズの国に来てから結構経ってからね」
「そういえば私カツカレー見たのオズの国に入って随分後だったわ」
「そうでしょ、その頃の日本で出て来たらしいのよ」
「意外と若い料理なのね」
「何でもあるプロ野球選手が洋食が好きで」
 それでというのです。
「カレーライスとカツを同時に食べるにはどうすればいいか」
「そう考えてなの」
「一緒にしてしまえってなってね」
「御飯の上にカツを乗せて」
「それでルーをかけて食べたら美味しくて」
「カツカレーが出来たのね」
「そうなのよ」
 これがというのです。 
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