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オズのエリカ

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第三幕その七

「そしてだ」
「玉座に座ってなのね」
「この国の王であり闇の精霊の首長である」
「その勤めを行っているのね」
「そうなのだよ」
「よくわかったわ、この国のルールもね」
 そのこともわかったエリカでした。
「よくわかったわ」
「そうか、それは何よりだ」
「精霊の国ってことね」
「如何にも、それで貴殿達はこれからグリンダ様の城に行くのだな」
「それで私が建国する許可を貰うのよ」
 エリカはまた王様に答えました。
「その為に行くの」
「そうか、道中気を付けてな」
「有り難う、そうさせてもらうわね」
「うむ、その様にな」
 王様はエリカ達に鷹揚に応えました、その後でおもてなしをと言いましたがここでエリカは王様に言いました。
「その申し出だけでいいわ」
「急いでいるのか」
「いえ、精霊の食事は私達は食べられないわよ」
 このことを言うのでした。
「だからおもてなしを受けてもね」
「食べられないからか」
「それに遊ぶこともね」
 こちらもというのです。
「出来ないからね」
「だからか」
「ええ、いいわ」
 こう言うのでした。
「気持ちだけでね」
「そうなのか、ではな」
「ええ、いいものを見せてもらったか」
 精霊の国でもというのです。
「それで満足したからね」
「だからか」
「出発させてもらうわ」
「わかった、ではな」 
 王様は皆に笑顔で応えてでした、そしてです。
 皆は精霊の人達に笑顔で送ってもらってそうしてでした。
 皆で精霊の国を後にしました、それからすぐにお食事となりましたがここでアンはエリカに言いました。
「何かね」
「何か?」
「いや、本当にね」
 それこそというのです。
「エリカらしかったわ」
「王宮での振る舞いや言葉がっていうのね」
「ええ、本当にね」
「そうなのね、けれどね」
「けれど?」
「私は別に意識してなくてね」
「普通にやってなの」
「そうよ、本当にね」
 それこそというのです。
「私はあの振る舞いと発言だったのよ」
「それも貴女ね」
「私はいつもありのままよ」
「猫らしくなのね」
「生きているだけよ」
「そうなのね」
「そうよ。あとね」
 ここで、でした。アンはエリカにこう尋ねました。
「今日のお昼はどうかしら」
「カレーね」
「そう、カレーライスだけれど」
 見れば今日のカレーは普段のカレーとは違います、御飯の横にローストチキンを置いてその御飯とチキンの上に細かく刻んだお野菜を入れたルーをかけています。
 そのカレーライスについてです、アンはエリカに尋ねたのです。
「いつもと違うね」
「ええ、普段のビーフカレーとかとは違うわね」
「ちょっと考えてみてね」
「こうしたカレーにしてみたの」
「そう、こうしたスパイスの使い方なら貴女も食べられるでしょ」
「ええ、山葵とかは無理だけれど」
 それでもと答えたエリカでした。 
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