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オズのエリカ

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第三幕その二

 道も城壁と同じく色々な元素が混ざって一つになっているものでその上下左右に整然と並んでいる家やお店は建物は全て火や水、木、雷、風といった様々な元素で出来ています。そして街の人達もです。
 それぞれ火や水の髪の毛をしていて赤や青といったそれぞれの元素の色です。眩しい人もいれば真っ黒の人もいます。
 その人達を見てです、エリカは言いました。
「それぞれの元素で身体と服が出来ているのね」
「あっ、そうだね」
 ジョージもここで気付きました。
「地水火風木雷金氷雪光闇砂と色々とね」
「そうだね、それでね」
 神宝はその色について言いました」
「土は茶色、水は青、火は赤、風は銀、雷は黄色、金は白、氷は水色、雪は白、光は金色、闇は黒、砂は灰色で」
「本当にそれぞれだね」
 カルロスも言います。
「元素によって色があるね」
「オズの国のそれぞれの色とは違うのね」
 ナターシャはこのことを指摘しました。
「妖精の元素の色は」
「そうね。しかも火に近寄ると暖かいし雪だと冷えていて」
 恵梨香はそれぞれの妖精の人や建物に近寄って言いました。
「それぞれの属性がはっきりしているわね」
「うん、そうだね」
「本当にそれぞれの属性があるね」
 臆病ライオンと腹ペコタイガーも五人に応えます。
「この国では」
「妖精の人達の属性が出ているね」
「火と水とか相反するのに」
 このことを言うのはエリカでした。
「皆仲良くやっているわね」
「そうね。火と水なんて正反対でね」
 アンもエリカのその疑問に応えます。
「一緒にいられないのに」
「それが皆仲良く暮らしているなんて」
「凄いわね」
「それは当然ですよ」
 一行を案内している先程の門番の兵隊さんの一人がエリカに答えました。
「だってどの元素がなくてもです」
「なくても?」
「はい、世界は成り立たないですから」
 だからだというのです。
「私達は火の精ですが」
「火があって他の元素もなのね」
「ないとね」
 それこそと自分の横にいるエリカに顔を向けて答えます。
「この世の中は成り立たないね」
「ええ、他の元素もね」
「どの元素もないと駄目だから」
「どの妖精達もなのね」
「仲がいいんだよ。そもそもオズマ姫もね」
 オズの国の国家元首であるあの娘もというのです。
「妖精だね」
「そのことは私達も知ってるわよ」
 オズの国なら誰でも知っていることです、エリカも火の精である門番の兵隊さんに対して即座に答えました。
「私だってそうだし」
「かなり高位の妖精でね」
「貴方達の上にあるの」
「そうだよ、そこまでの域に達してさらに凄くなっている方でね」
 それでというのです。
「そのオズマ姫もね、若しおられないと」
「一回そうなって大変になったでしょ」
 エリカもよく覚えています、その時の騒動は。
「桃の実の中にいたけれど」
「あの時オズマ姫がおられなくて」
「オズの国の元素がなのね」
「危ない状況だったんだよ」
「そうだったのね」
「そんなこともあったから」
 だからだというのです。
「本当にね」
「危うい状況だったの」
「そう、そしてね」
「オズマ姫が見付かって」
「僕達もほっとしたんだよ」
「そうだったのね」
「うん、本当によかったよ」
 まさにと言った兵士でした。 
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