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真説魔法少女リリカルなのはエトランゼ改

作者:ケン009
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1部 稀有な人生の始まり
2章 妖狐
  魔窟 さざなみ女子寮 入口

 まさかこんなに時間がかかるとは思わなかった。
好意に乗っておけばよかった
待機していた警察が寮まで送ってくれると言ってたが俺は拒否をした。
まぁ神咲は何度も聞いてきたがガン拒否
昔の杵柄はここ最近役に立ってたが、パトには乗りたくなかった。
大人になってからは厄介にはなってないのだが、ガキの頃は結構な数厄介になったものだ。
結構歩くと神咲は言ってたがこれ結構って距離じゃないぞ!
バスで約1時間の距離は人が歩く距離じゃない
それも山道を・・・

「おい、神咲まだか・・・それにこの狐は・・・
こいつじゃなかったら、たたき落としてるぞ」

「済みません。久遠がなついちゃって」

 狐器用に俺の肩で寝てやがる
この体になって気づいたのは重心がぶれない事
武道やスパイなどの一流どころは重心がぶれないとは聞いたことはあるが、
なぜか楽に動けるからびっくりだ!
欠点は体が小さいからかスタミナがない
一般の成人男性と比べて
そうスイッチを切るのを忘れてた
霊感の・・・
花見の時もうっすらと感じてはいたのだが・・・
神咲の寮があるという場所に近づけば近づくほど霊域になっているような気がする。
悪い気じゃなくて
良い気なんだが神聖な感じのする場所に近づいて行ってる。
やっとの思いで姿が見えた
なんだがペンションみたいなおしゃれな場所だが
神聖な気はここじゃなく、もう少し奥の場所だ!

「おい、神咲」

「はい、なんですか南條さん?」

「この家のあっちの奥は何があるんだ!」

「はい、小さな湖があります。
どうかしたのですか」

「わかってて聞くな。人が悪い」


「あそこに気づくなんて思いませんでしたから?」

 寝ているのか封印されてるのかはわからないけれど、
かなりの術者じゃないと気付きにくいってのはあるかもしれないな
休眠?でこれだから、覚醒したら並みの手練れじゃ死ぬしかない
例えが悪いが寝ているドラゴンを起こして、
寝起きが悪くて殺されたプレイヤーはたくさんいる。
まぁ悪い感じがしないから、この土地を守る何かかもしれないが
家の中からもすごい霊力を感じる
神咲行く必要なしじゃねえって思うぐらいだ。
霊力の気質からすると、俺と同じ戦う方だろう
反対に神咲は姿通りの巫女
護や回復、鎮魂が得意な感じだろう
あそこにいたのは地縛霊
鎮魂が無理なら切る方も必要だろう
俺が生きていた時代のこの手の物はファンタジーだが
この世界はリアルだ
昔の京には今よりも凄腕の手練れがいたはず
TRPGをやっているとそういうものも調べたくなって調べたこともある
自分のプレイの幅が広がるから
たいていがチームを組むことが多い
一人で討伐なんて無謀に近い
桃太郎もそうだし源頼光もそうだがお供がいるか仲間がいる
こいつの場合は久遠がいるから大丈夫なのかもしれないが・・・
俺は神咲を見ながらそう思った。

「どうかしましたか?」

「いや」

「あれ~、那美が男と逢引きしてる」

 後ろから声が聞こえて俺は身構えて振り向く
馬鹿な!
俺の後ろを取っただと
警戒はしていたはずだ!

「おっと、失礼、そんなに身構えないでくれると助かるのだが」

「リスティさん!」

 リスティという名前らしいが・・・
神咲とは知り合いらしい
でもどこから現れた。

「僕もあそこの住人なんだよ」

 こいつもしかして、俺は自分の心を読まれないようにする。

「本当に怪しいものじゃないんだけどね、那美も見てないで助けてくれないか?」

「あ・・・済みません。
南條さん。彼女はここのオーナーの娘さんなんです」

「今紹介にあったリスティ・槙原だよ」

「南條 綾」

「おっと、本当にやめてくれると嬉しい」

 俺は手を上げて降参する
ちょっと動こうとしたら読まれた
思考だけじゃない
少しの動きだけで看破する
来たの間違えたかもしれないな

「那美、彼氏を作るのならこんな幼い子じゃなくても
もしかして那美ってショタだった?」

「ち・ち・ちがいます。
私が仕事で大変だったから、ちょうど助けてくれたんです
その時飲み物が無くなってしまってお詫びに」

「身体で」

「違います。食事に招待を」

「ふ~ん君も那美と同じ退魔師?」

「違う、たまたまそういう能力があるだけだよ
お前と同じようにな」

 転生者か何かの能力持ちしか考えられない
恭也やおやっさん以上の現場慣れしてるか
この後ろは山道が一本だから気づかないわけがない
しかもここに近づくたびに気が澄んでいたらなおさらだ
声をかけられるまで気づかないとなると普通の人間ではない

「那美と久遠を助けてもらったようだね
気味が悪い人間ではないことはわかるよ」

 なぜ?

「不思議がる事じゃない
久遠が何も警戒なしに肩で寝るなんて僕が知るだけでも数人しか知らないからね
歓迎するよ」

 そう言って俺はさざなみ寮に入った。
 
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