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GOD EATER STUDIUM

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第一部 少年たち
第四章
  新たな武器

 
前書き
GEREOを最近知りました。 

 

「こちら作楽、目的地に到着。敵の姿は見当たりません。以上」
『狙撃班、ヒイラギ、了解』
『カンだ、了解。こちらも敵影なし』
『こちらアリサ・イリーニチナ・アミエーラ。ポイントA24に到着。標的の痕跡を発見、周囲の索敵を開始します』
『カンだ。こちらも標的の羽を発見。更に北西の方に足跡があり、追跡する』
『ヒイラギ、了解。狙撃ポイントを修正します。B11に移動。以上』
「こちら作楽、了解です」
『アリサ、了解しました』
『カン、わかった』
 ヒイラギの移動直後、森に銃声が響く。
『こちらヒイラギ、想定外のコンゴウ種と遭遇、迎撃します』
『カンだ。ヒイラギへ、撤退しろ。奴を発見した。戦闘音を察知したのか。そちらに移動したぞ』
 無線の訴えと裏腹に戦闘音は激しさを増す。
『こちらアリサ。ポイントB11へ応援に向かいます』
『カン、了解。カンから作楽へ、B11を狙撃できるポイントへ移動しろ。狙撃任せた』。
「こちら作楽わかりました」
 地図を思い浮かべながら辺りを見渡す。
 よし、あの大樹からならB11を狙える。
 すぐさま、行動を起こす。視界に入った大樹を目指して移動する。大樹に登る。
 足場が少し不安定だけど、ここからなら見えるはず。
 ポイントB11方角を見る。土煙が立ち、銃声等が聞こえる。アリサとヒイラギがコンゴウ種と交戦している様がはっきりとわかる。
「こちら作楽、狙撃ポイントの確保完了。いつでも行けます」
 銃を構える。
 俺が撃てる球数は、たったの2弾。絶対に外しはしない。
 この場所とアラガミとの距離は目測で1000mほど、神機の感覚から偏食場の範囲外ということを直感していた。



アリサは焦っていた。予定外のコンゴウ種との遭遇からのまさかのサキに銃形態を使わせることになるとは。彼女を特に焦らせていたのは、サキが銃形態を使うことだった。



「急にどうしたんですか? 博士」
 アリサは、榊に支部長室に呼び出されていた。これは、サキと出発する前のことである。
「いやー、アリサ君に折り入って頼みたいことがあってね」
 榊は、無数のディスプレイを操作しながら伝える。
「また、良からぬことを考えているみたいですね。博士の頼みですからお伺いしますけど、私もこの後予定がありますから。受け入れられる保証はありませんよ」
「なに、たいしたことじゃないさ。彼、作楽サキ君をこの後の予定、つまりクレイドルの活動に連れって行ってくれたまえ」
 新人兵をクレイドルの活動に同行させることにアリサは驚きを隠せなかった。
「君の杞憂していることはわかるさ。でもこれは彼にとっての為なんだ。それに彼を預けるにはアリサ君、君が一番安心かつ適当だと考える」
「失礼ですが、博士。どいう意味か教えていただけませんか?」
「実は、彼の神機は未完成なんだ」
「未完成?」
「そう。彼の神機はあの計画によって開発された。しかし、計画で開発された神機は、刀身と装甲だけなんだ」
「つまり、銃身だけはまだということですか? でも彼の神機には確かに銃身はついていますよね」
「ついているとも。でもその品は本来のものではないのさ。例のアラガミの素材は一切使われていないからね。例のアラガミのコアを用いた銃身を使うと今とは全く別の神機として生まれ変わるだろう。これをリッカ君とソーマと共に製作にあたってね。つい最近完成したんだ。リッカ君からも彼が使うことの許可をもらってあるよ」
「話が見えてきません。その銃身と私になんの関係性が?」
「直接的な関係性はないが間接的にはあるんだよ。その銃身は君と同じで種類なのさ。ここまで言ったらもうわかってくれたかい」
「わかりました。つまり新しくなった神機の様子見と使い方の指導をしろってことですね」
 榊はいたずらそうな笑みを浮かべる。アリサはその笑みの意味が分かっていた。その通り。そう言いたげな顔を見て、短いため息を吐く。引き受ける証拠である。
「事情はわかりましたが博士。それってコウタでもよくありませんか? 今は新人教育の担当ですよね」
 博士の表情が曇る。アリサは察したなにか不味いことがあると。次の瞬間、勢いよく支部長室の扉が開く。
「博士。なんでいつも俺なんですか。新人多すぎますよ。しかも一人ひとりが我が強いからいつもトラブル起こすし。止めるこっちの身にもなってくださいよ。新人教育以外での任務では、エリナとエミールが喧嘩するし、仲裁ばっかりじゃないですか」
 コウタの不満が爆発したようで施設長室に殴り込みに来たのだ。
「それは実に興味深い話だね」
 博士はすぐさま適当に誤魔化そうとする。
「またそれですか。なにも興味深くないですよ。ただ苦労している俺の身にもなってくださいよ」
 コウタには全く無意味だった。
「いや、実は新人の育成担当を増やす案はでているんだけどね」
「まじで。なら早く増やしてくださいよ」
「いや、結論から言うとコウタ君。君にしか無理なんだよ」
 納得がいかないコウタは、アリサの方を指す。
「アリサだってソーマだってベテランは他にもいるじゃないですか」
 コウタの必死さから現状とてつもない苦労をしているアリサは察した。先ほど思っていたことに対して改めようと考えた。そして自分が大勢の新人を相手にしているところを想像する。
「コウタ、諦めましょう。私やソーマが新人を指導できると思いますか?」
 アリサが諭すように言う。コウタは、アリサやソーマその他ベテランゴッドイーターの新人教育する姿を想像して、うなだれる。
「ソーマは、コミュニケーション取れそうにないし、アリサは喧嘩していると容赦なく無視して挙句の果てには手を出しそうだし、他の人は……、諦めよ」
「ドン引きですがコウタの言っていることは納得できます。私もソーマも集団の教育には向いてないみたいですから」
「コウタ君だからできることだと自覚してくれたまえ」
 アリサと榊がコウタの発言に共感して頷く。コウタは煮え切らない気持ちを抱えながら渋々了解する。
「おっと。コウタ君のせいで話しがそれたが、彼を頼んだよ」
 榊はアリサに向かってそう伝える。
「それと彼に銃身を使わせるときはくれぐれも君が傍に居てやってくれ。暴走する危険性がないとは言い切れないから」
 榊は念を押すようにそう付け加えた。コウタは話の内容がなにかすぐにわかった。情報は育成者として知っていた。
「たしかに強力な力には違いないけど、過去2回の先頭ログを見てみると少し不安だ」
「彼の戦闘スタイルは、過去1回目の後半と1回目の前半と2回目とは全く別物といっても過言ない。これが神機の影響かどうかも、はっきりしていない現状、注意するに越したことはない」
 コウタの発言に共感したように榊が続けた。
 
 

 
後書き
ディバイダーシステム興味深い。次回未定 
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