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オズのガラスの猫

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第十一幕その十一

「出せないわよ、というかね」
「シュール何とかはね」
「どんな人でも上級者向けよ」
「その匂いと扱い方も難しさから」
「そうよ、お客さんに出すものじゃないわ」
「そういえばオズマが出すご馳走は」
 ガラスの猫はここで気付きました。
「食べられる人なら誰でも好きそうなね」
「そうしたものでしょ」
「ええ、そうよ」
「自分達が好きでもね」
「他の人が好きとはなのね」
「限らないし」
 ナターシャはさらにお話しました。
「だから出来るだけ多くの人が好きそうな」
「そうしたものを出すことがなの」
「お客さんへの気遣いでね」
「賢いやり方なのね」
「オズマ姫もわかっておられるのよ」
「そうしたことが」
「ええ、それでね」
 オズマはというのです。
「そうした失敗はされないのよ」
「オズマらしいわね」
「そうでしょ、あの方はね」
「そうしたことまで考える娘よ」
 ちゃんと、とです。ガラスの猫も言います。
「本当にね」
「だから信頼も出来て」
「オズの国の主が務まるのよ」
「そういうことなのね」
「そうよ、じゃあいいわね」
「ええ、今からのことは」
「ちゃんと楽しみにしていればいいのよ」
 まさにというのだ。
「そうしていればいいの」
「私達は」
「そうよ、それとね」
「それと?」
「あんた達はシュール何とかを実際に見たことはないのね」
「ないわよ」
 実際にとです、ナターシャは答えて。
 そして他の四人もです、こう言うのでした。
「見たことはないよ」
「噂には聞いてるけれど」
「これまでね」
「一度もないわ」
「そうなのね、あたしも納豆は知ってるし見たことはあるし」
 ガラスの猫が出した食べものはといいますと。
「色々匂いのする食べものや飲みものはあるけれど」
「ドリアンはあったわよね」
「ええ、あるわ」
 ガラスの猫はナターシャに答えました。
「あとくさやとかベジマイトにウォッシュチーズはね」
「そうしたものはあるわね、オズの国にも」
「ええ、ああしたものも匂いきついけれど」
「もうシュールストレミングはね」
「それ以上になのね」
「そう、凄いの」
 まさにというのです。
「噂によると」
「そうなのね、まあウォッシュチーズ以上の匂いのを出されたら」
 それこそと言うガラスの猫でした。
「犬の国の人達も怒るわね」
「そしてそれで怒った喧嘩がね」
「いよいよね」
「終わるわ」
「そうなるわね、まあオズマがいて香辛料もあるから」
 それでと言うガラスの猫でした。
「楽しみにしていましょう」
「問題がどう解決するのか」
「それをね」
 まさにとです、こう言ってでした。
 ナターシャ達五人はこの日はガラスの猫と一緒に猫の国の人達と一緒に遊びました。そうしてまずはつぎはぎ娘とチクタクが犬の国から帰って来るのを待ちました。 
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