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オズのガラスの猫

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第十一幕その三

「猫の国の二代目市長です」
「はじめまして」
 五人も笑顔で応えました。
 そしてです、五人もそれぞれ名乗ってお互いのことを覚えました。そのうえでオズマは市長さんに自分達がこの国に来た理由をお話しました。
 その理由を聞いてです、市長さんは言いました。
「実は我々もです」
「犬の国の人達とはなのね」
「はい、和解したいとです」
「思っているのね」
「そうなのです」
 オズマに真剣なお顔でお話します。
「実は。ですが」
「和解しようにもね」
「お互いに顔を見合わせればそっぽを向き合うので」
 そうした間柄になってしまっていてというのです。
「どうにもです」
「和解する手立てがないのね」
「はい」 
 こうオズマにお話しました。
「これが」
「そうよね、そうだと思っていたわ」
「では」
「私達が来たのはそうした状況でもね」
「和解をですか」
「してもらう為に来たのよ、オズの国は皆が仲良くする国だから」
 そうした国だからというのです。
「それでね」
「わざわざ来て頂いたのですか」
「わざわざじゃないわ、当然よ」
 この猫の国に来たのはと言うオズマでした。
「ここまで来たのは」
「オズの国の主として」
「そうよ、だから当然だから」 
 それでというのです。
「わざわざとは言わないで」
「わかりました、それでは」
「喧嘩になった理由はもうわかっているし」
 このこともお話したオズマでした。
「魚料理出したらよね」
「あちらの人達が起こってしまいました」
「あれよね、シュール何とか出したのよね」
 ガラスの猫が市長さんに言ってきました。
「そうよね」
「シュールストレミングだよ」
 市長さんはガラスの猫に笑って答えました。
「その缶詰を出したんだ」
「そうしたらよね」
「うん、あちらにお魚料理をご馳走してお魚の美味しさを知ってもらおうと思って」
「それを出したのね」
「シュールストレミングをね、あれは我々の好物の一つなんだ」
「美味しいの」
「だから出したんだけれど」
 これがというのです。
「犬の国の人達はこんな臭いのないって怒ってしまったんだ」
「噂に聞くけれど爆弾だっていうじゃない」
 こう言ったのはつぎはぎ娘でした。
「そんなの出したらそりゃ怒るわよ」
「爆弾じゃないよ、珍味だよ」
 市長さんはつぎはぎ娘に真剣なお顔で答えます。
「我々は気まぐれだけれど嘘は言わないよ」
「猫だからよね」
「そう、猫は確かに悪戯好きだけれどね」
 それでもというのです。
「嘘は言わないよ、シュールストレミングはね」
「美味しいの」
「そう、珍味でね」
「あんた達の好物なのね」
「それで出したんだけれど」
 美味しいものを食べてもらって喜んでもらおうと思ってです。
「そうしたら怒っちゃったんだ」
「というかーーです」
 ここでチクタクが言うことはといいますと。
「匂いはーー気をーーつけないとーーいけまーーせん」
「いい匂いだと思うんだがね」
「だからそれは味を知ってるからじゃ」
 ナターシャは市長さんのお話を聞いて思いました。 
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