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オズのガラスの猫

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第十一幕その二

「お会いするのね」
「そうしてもらいます、そして」
「私達が来た理由をね」
「お話して下さい」
「そうさせてもらうわ、ただね」
「ただ?」
「一つ思うことは」
 それはといいますと。
「貴方達今は平和かしら」
「平和ですが」
 ここで困ったお顔になって言う兵隊さんでした。
「一つ困ったことがあります」
「犬の国の人達とよね」
「はい、喧嘩したままです」
 兵隊さんもこのことをお話します。
「困ったことに」
「そうよね」
「どうしたものか」
「そうね、実はそのことについてね」
「どうかされる為にですか」
「私達は来たの」
 こう兵隊さんにお話しました。
「実は」
「そうでしたか、そしてそのことをですね」
「市長さんにお話するわ」
「わかりました、では」
「ええ、これからね」
「市長さんのところに案内させて頂きます」
 兵隊さんはこう言ってでした、国の大通りをどんどん進んで一行を案内していきました。見れば沢山のお店もあって街は大変賑わっています。
 そしてです、猫の人達もです。
 本当に色々な人達がいます、三毛猫に白猫に茶色い猫にさび猫にです。
 それにでした、種類もです。
 マンチカンにスコティッシュフォールド、アメリカンショートヘアに日本猫にマンクス猫と様々な種類の猫の人達がいます。そして。
 その猫の人達はオズマ達を見て言うのでした。
「あっ、オズマ姫につぎはぎ娘」
「チクタクもいるじゃない」
「オズの国の名士の人達が来るのも久しぶりよね」
「そうよね」
「ガラスの猫もいるし」
 この猫も見て言うのでした。
「それにあの子達はね」
「オズの国の名誉市民の子達だね」
「あの子達ははじめて来たわね」
「オズの国にね」
「そうよね」
 オズマ達を見てこんなお話をしていてです、そして。
 一行は市庁舎に入りました、その入り口には大きな猫の人の像がありました。タキシードを着たその猫の像を見てです、兵隊さんは一行にお話しました。
「この方がこの国の初代市長さんなんです」
「この人がなの」
「はい、今は引退されていますが」
 こうナターシャ達にもお話します。
「この猫の国の基礎を固めてくれた人です」
「そうなのね」
「樵さんやかかしさんの協力を得て。その時は」
「その時は?」
「犬の国とも力を合わせていたんですが」
 それがとです、兵隊さんは困ったお顔になって言うのでした。
「今は」
「そうなのね」
「はい、困ったことです」
 こう言うのでした、困ったお顔で。そうしたお話もしつつです。
 一行は市庁舎の中の市長室に入りました、するとです。
 市長室には立派なスーツを着た銀色の毛並みのペルシャ猫の人がいました。その猫の人がいてなのでした。
 そしてです、その猫の人がオズマ達を立って迎えて言ってきました。
「ようこそ、猫の国へ」
「ええ、こんにちは」
 オズマはその猫の人に笑顔で応えました。そしてナターシャ達にこの人の紹介をしました。
「猫の国の市長さんよ」
「はじめまして、イブン=キャットです」
 市長さんは五人ににこりと笑って名乗りました。 
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