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戦国異伝供書

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第五話 岐阜の城からその十

「殿、堺のことですが」
「南蛮貿易でじゃな」
「はい、近頃そちらの船が多いですが」
「昔からしておる勘合貿易もじゃな」
「そちらもこれまで通りしていくことを」
 それをというのだ。
「認めるべきと思いますが」
「そして両方の貿易じゃな」
「利を得ていきましょう」
「その通りじゃな、そしてじゃな」
「国内の商いもです」
 それもというのだ。
「港を使ったそれを」
「これまで以上にじゃな」
「力を入れ」
 そしてというのだ。
「よりです」
「利を得ていくか」
「尾張の港もそうですが」
「伊勢や志摩にじゃな」
「播磨に四国もです」
 そうした国々の港もというのだ。
「使っていき」
「その商いでじゃな」
「利を得ていくべきかと」
「その通りじゃな、ではな」
「こちらの政もまた」
「佐吉、お主とじゃ」
 信長はこの話をした石田にさらにだった。
 大谷にも顔を向けてそうして言った
「桂松、お主もな」
「それがしもですな」
「港の政にあたれ」
「港を整え」
「商いを栄えさせる足場を固めるのじゃ」
「わかり申した」
 大谷は信長に畏まって応えた。
「それではその様に」
「頼むぞ、無論堺もでじゃ」
 信長は南蛮貿易と勘合貿易の話もした。
「そちらはな、お主じゃ」
「それがしですか」
「うむ」
 前田玄以に対して答えた。
「頼むぞ」
「堺の商人達にですな」
「そうする様に言うのじゃ」
「それでは」
「商いは話も伝わる」
 情報、それもというのだ。
「だからその話もな」
「集めて」
「それも役立てるのじゃ」
「その様にさせて頂きます」
「ではな、そして水軍はな」
「それがしですな」
 九鬼が応えた。
「整える」
「そうせよ、伊勢だけでなく瀬戸内の東の水軍もな」
「全てですな」
「整えてじゃ」
 そしてというのだ。
「海賊共を取り込むなり成敗してな」
「海も穏やかにしますな」
「そうじゃ、さすれば商いがよりしやすくなる」
 海賊達がいなくなればというのだ。
「商人達がな」
「だからこそ」
「お主は主に海にあたれ」
 こう九鬼に言うのだった。
「よいな」
「さすれば」
「海も穏やかにするがな」
 ここで信長は長曾我部にも目を向けた、そうして彼にも言うのだった。 
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