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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦士ガンダム
  2120話

 エデンから影のゲートを使ってラルから言われた場所に転移すると、そこには俺を待っていたのかコズンの姿があった。
 俺が姿を現したのはどこかの寂れた倉庫街で、周囲にはコズン以外に誰もいない。
 完全にうち捨てられた倉庫街……と呼ぶべきなんだろうが、ラルがこのような場所に来れば、間違いなく目立つ。
 ……まぁ、ラルもそれは分かってるから、恐らく監視の目は誤魔化しているのだろうが。

「来たか。ラル大尉が待ってるから、行くぞ」

 そう告げるコズンに、俺も頷く。
 とはいえ、向かう場所はそこまで離れた場所ではなく、俺が出た場所からすぐ側にある倉庫なので、時間は掛からない。
 そうして倉庫に入ると、そこにはラルとハモン、クランプの姿があり、それ以外にも何人かの姿がある。
 1人は40代半ば程の髭の生えた中年の男。恐らくこの男がダグラスなのだろう。
 他には、金髪の色っぽい美人に、20代の男が2人。
 恐らく、この連中がラルが通信で言っていたダグラスの部下か。
 こうして見る限り、それなりに腕が立ちそうには見えるが……それでもラルやシーマの部下に比べると、どこか軍人っぽくない雰囲気を感じさせる。

「ラル大尉、彼が……そうなのか?」
「そうです。ダグラス大佐が言っていた、彼等の問題。アクセルなら解決してくれるでしょう」

 やっぱりあの男がダグラスか。
 そのダグラスは、俺の方を見る視線に不安の色がある。
 ……まぁ、今の俺の外見を思えば、そんな風に思っても仕方がないだろう。
 そんな不安を感じているのは、ダグラス以外の面々も同様で……金髪の女だけが、俺に興味深げな視線を向けていた。

「ラル、俺を呼んだって事は、何か問題があったんだな?」
「うむ。……その前に紹介しておく。この方はダグラス・ローデン大佐。ダイクン派の大物だ」
「……ラル大尉にそう言われるのは、少しどうかと思うがな。ダグラス・ローデンだ」
「アクセル・アルマーだ。よろしく」
「そっちがケン・ビーダーシュット少尉に、ガースキー・ジノビエフ曹長、それと私の秘書のジェーン・コンティ大尉だ」

 俺の自己紹介に、ダグラスは一緒に来ている面々の紹介を始める。
 にしても……ケンとガースキーだったか? その2人はいいとして、金髪の女、ジェーンの階級が大尉というのは少し驚きだな。
 ただ……この女、隠そうとしているようだが、この世界の人間としては相当に出来る。
 そんな女が秘書? あからさまに怪しいとしか、言いようがないんだが。
 恐らく、ダグラスの何らかの奥の手……といったところか。

「よろしく。それで、俺は結局何をすればいいんだ?」
「……まず、ダグラス大佐の立場を説明しておく」

 俺の問いに答える前に、ラルはそう告げる。
 どうやらダグラスの現在の立場が、俺を呼んだ理由らしい。

「先程も言ったと思うが、ダグラス大佐はダイクン派として有名な方だ。だが、だからこそ上からは睨まれている。そんな中で、ダグラス大佐はケン少尉達の部隊長となる事となった」

 ラルの言葉に、ケンとガースキー、ジェーンの3人がそれぞれ違う表情を浮かべる。
 ……何だ? 軍人らしくはないけど、軍人なら部隊に配属されるのは当然だろうに。

「尚、ダグラス大佐が率いる部隊は、外人部隊と呼称されている。それを考えれば、儂の言いたい事も分かるのではないか?」

 外人部隊?
 その呼称は、本来なら国の外の人間……外国人に付けられる呼称だ。
 つまり、ケン達は……

「サイド3の人間じゃないのか?」
「正解だ。ケン少尉達はサイド3出身の人間ではなく、コロニー公社の人間だ。それも腕利きのチームのな。だが、その腕利きというのが、ジオン公国にとって大きかった」
「つまり、戦力として引き入れられたと?」

 コロニー公社というのは、基本的には中立という立場だった筈だ。
 だが、ジオン軍はそこに目を付けたのだろう。
 MSパイロットとして……それも腕利きのパイロットとして使えるかもしれない、と。
 当然コロニー公社で働いていた時は、MSの操縦などはした事がなかっただろう。
 だが、腕利きのチームというのであれば、それこそ宇宙での作業には慣れている筈で、全くの素人をMSパイロットとして育成するよりは大分時間の短縮になる筈だ。とはいえ……

「ジオン軍に使われるのが嫌なら、逃げ出せばいいんじゃないのか? それこそザクでも持って連邦軍に投降すれば、向こうでも大歓迎してくれると思うんだが」

 ましてや、連邦軍なら中立の筈のコロニー公社の社員を拉致して、暴力で命令を聞かせていたという事が分かれば、大々的に報道して世論を……そしてコロニー公社を味方にしてもおかしくはない。
 そうなれば、連邦軍からはヒーロー的な扱いを受ける事も出来る。
 もっとも本人がそれを望まないのであれば、そこまでする必要はないだろうが……それでも、ザクを入手出来るだけで連邦軍にとっては大歓迎してもおかしくはない。
 連邦軍も様々な手段を使ってザクは入手していると思うが、ザクというMSは多くあっても困る事はない。
 MSの解析や、パイロット候補生の練習機、もしくはジオン軍の振りをして攻撃を仕掛ける……といった手段もある。

「それが出来れば、わざわざこんなに苦労はしない。アクセルだったかな。君が知ってるかどうかは分からないが、コロニーを作る為には数ヶ月……場合によっては年単位の時間が掛かる事も珍しくない。そんな訳で、仕事をする時は基本的に家族と一緒にそのサイドに移動する事が多い。それは、ジオン公国からの仕事でも変わらない」

 ケンがそう言えば、俺にも何となく理解出来た。
 つまり、人質と。そういう事だろう。

「なるほどな。ラルが俺を呼ぶ訳だ」
「……こう言ってはなんだが、俺は君の事を知らない。ラル大尉が君を高く評価しているのは分かるが、何が出来るのか聞いてもいいかな?」

 ケンの言葉に、俺はラルの方に視線を向ける。
 ダグラスという人物を……そしてその部下たるここにいる面々を信じてもいいのかといった、そんな問い。
 そんな俺の視線を受けて、ラルは無言で頷く。
 シャドウミラーやルナ・ジオン、セイラについてどれくらいの情報を話しているのかは分からないが、ラルが信頼出来ると考えたのであれば、俺も信じよう。
 そのまま全員の視線が集まっているのを確認し、気配遮断のスキルを使用する。

『え?』

 いきなり目の前から俺の姿が消えたように見えたからだろう。ダグラス、ケン、ガースキー、ジェーンの口から戸惑いの声が漏れる。
 ラル達からは……もう俺の行動に慣れているからか、視線の先にいた俺の姿が消えても特に驚いた様子はない。
 そんなラル達を一瞥すると、俺はその場から離れてダグラス達の近くまで移動する。
 そうして気配遮断のスキルを解除し……

「っ!?」

 へぇ。
 真っ先に俺の気配に気が付いて反応したのは、ある意味で予想通りだったが、ジェーンだった。
 そうして半ば反射的にだろう。何らかの格闘技の構えを取る。
 そんなジェーンから一瞬遅れてダグラスが、そして数秒遅れてケン達が俺の存在に気が付く。

「随分と腕利きの秘書だな。羨ましいくらいだ」
「……どうやって移動したのか、聞いてもいいかな?」

 俺の軽口を気にした様子もなく、ダグラスが尋ねてくる。
 ダグラス達にしてみれば、自分が全く気が付かないうちに俺が移動するなんて真似をしてたんだ。
 俺に害意の類でもあれば、今頃死んでいたのは間違いない。
 ラルが俺を呼んだという事で、取りあえず敵という認識はしていないだろうが……それでも、やはり気になるのは止められないといったところか。

「俺の魔法だよ。……まぁ、正確に言えばちょっと違うけど」
「……魔法、だと?」

 UC世界の人間だけに、やはり魔法というのは信じられないのだろう。

「ちなみに、こういうのもあるぞ」

 そう言い、今度は気配遮断のスキルではなく、影のゲートに身体を沈める。
 当然ながら、俺が影に沈んでいく様子は衝撃的だったらしく、ジェーンを含めて全員――ダグラス達、という意味――が唖然とした表情を浮かべていた。
 そうして影に沈んだ俺が次に姿を現したのは、この倉庫の中でも端の方にある壁の近く。

「これで、魔法を信じて貰えたか?」

 そう声を出す事により、ようやくダグラス達は俺がそこにいると気が付く。

「取りあえず、この世には科学だけでは解明出来ない不思議な現象があると覚えておいて貰えばいい。……正確にはこの世界には、だけどな」
「……君は一体……」

 ダグラスも、とてもではないが自分が見た光景を信じられなかったのか、唖然とした問いを発する。

「まぁ、俺が誰なのかとか、そういうのは後でラルに聞いて貰えば分かるとして……俺がいれば人質になっている家族を取り戻せるって事だ」
「いや、だが! もし人質を取り戻しても、ジオン軍に狙われ続けるのであれば、それは……」
「ああ、そっちの方もどうにでもなる」

 ぶっちゃけた話、人質を助け出したらホワイトスターに連れていけば、それでジオン軍に再度襲われる心配はない。
 もっとも、ケンやガースキーの家族達がホワイトスターに馴染めるかどうかは、微妙なところだが。
 俺が言うのも何だけど、色々と特殊な場所だしな。
 ああ、でも子供とかがいるのなら、エルフとかワイバーンで結構いい感じになりそうかも?
 それにホワイトスターにいるのは最初だけで、ルナ・ジオンが出来たらクレイドルで暮らすようになるだろうし。

「それは……どういう事だ? どこか絶対に見つからない場所でもあると?」
「そうなる。……だよな? ホワイトスターに隠れている連中を、ジオン公国の連中に見つけられると思うか?」

 そう尋ねると、ラルは即座に首を横に振る。

「まず、無理だな」
「だろ。まぁ、人質がいなくなれば、恐らく外人部隊の方も疑われるだろうから、救出する時は、最後の最後まで待つ必要があるけどな」
「……ルナ・ジオン。そのようなものが本当に叶うと?」

 ダグラスの口から出た、ルナ・ジオンという単語。
 つまり、セイラの件についてはもう話していた訳だ。
 その割にシャドウミラーについて話していなかったのは、若干疑問に思わないでもないが……まぁ、そういう事もあるんだろと判断しておくか。

「そっちについては、確実にと保証してもいい。こっちには色々と大きな戦力が揃っているしな。例えば、俺だって……エンデュミオンの鷹、として結構知られていると思うが?」

 そう言ってから、もしかしたら実は俺の活躍を握り潰されていたらどうしようと一瞬思う。
 何しろ、シーマの上司のアサクラは、色々と姑息な事に掛けてはかなりの腕利きで。
 致命的ではないが、こちらに苛立ちを覚えさせる……そんな存在。

「エンデュミオンの鷹!?」

 だが、幸いそこまで妙な真似は出来なかったらしい。
 いやまぁ、考えてみれば、あの作戦にはシーマ艦隊以外にも多くが参加していた。
 俺が行った戦闘でも、ガトーやその仲間達が一緒の戦場にいた。
 ……これが普通の相手であれば、上の命令に逆らえずに俺の戦いのデータを消去する事になっていた可能性は高い。
 だが、俺と一緒の戦場にいたのは、あのガトーだ。
 それこそ、上が何と言おうと理不尽な命令に従うような真似はしないだろう。
 これが軍人なら上の命令には絶対服従なのだが、ガトーの場合は軍人というよりは武人と呼ぶのが相応しく、納得出来ない命令であれば逆らってもおかしくはない。

「それ以外にも色々と戦力はいるし、大義名分もある。この状況でこっちに乗らないというのは、普通なら有り得ない選択だと思うぞ?」

 ジオン・ズム・ダイクンの子供という旗頭は、それだけの影響力を持つ。
 特にセイラは、現在でもシェリルから色々と教えて貰っていたりする関係もあり、強いカリスマ性すら纏い始めているのだから。
 ……実際、ラルを始めとしたラル隊の面々は、一度セイラの演説を見て以来、一層忠誠心が高くなっているみたいだし。
 寧ろ、シェリルの件でやりすぎたという気持ちもない訳ではなかったり。
 いやまぁ、カリスマ性はあればあっただけいいので、実際にルナ・ジオンの建国宣言をやる場合は、シェリルからのアドバイスを貰いながらライトの配置とか手振り身振りとか、演説の内容とか、そういうのを仕上げていく予定なのだが。
 シャドウミラーの広報担当だけあって、ただ歌手をやっていた時よりも、シェリルはその辺が詳しくなっているんだよな。

「俺についてとか、その辺りの事情はラルに聞かせて貰えばいいさ。そうすれば、色々と納得する事も出来るだろうし。魔法をその目で見た以上、荒唐無稽な話であっても、信じざるを得ないだろ?」

 そう告げ、取りあえず詳しい話はラルに丸投げするのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435 
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