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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第五幕その八

「仏教やヒンズー教やキリスト教の教理を適当に入れたね」
「そうした宗教もあるよね」
「お金儲けが目的なだけのね」
「そして権力を持ちたいとか」
「そうした宗教団体もあるけれど」
「その教祖はお金とか権力とか女の人ばかりだったんだ」
 先生にはこうした人のことがわかるのです、それだけの学識を積んできたからこそ。
「そうだったんだ、けれどね」
「その思想家さんはだね」
「偉大とか言ってたんだ」
「それおかしいよね」
「どう考えても」
「だから僕はこの人の本はその発言を読んでから全く読んでいないよ」
 先生はそうしているというのです。
「読んでも何の価値もないと思うからね」
「だからなんだね」
「先生はその人の本は読んでいないのね」
「そうしてるのね」
「そうだよ、本当に読んでもね」
 例えそうしてもというのです。
「何にも得るものはないよ」
「ベルサイユの薔薇と違って」
「全く価値はないんだね」
「その人の本は」
「哲学書でも何でも」
「そう、こうした人が書いた本を読むよりも」
 まさにというのです。
「ベルサイユの薔薇とかね」
「素晴らしいものを読むべきだね」
「漫画でも」
「そういうことね」
「僕はそう考えているんだ、小説でもね」
 こう言ってでした、先生はこの日の夜は漫画を読んでです。
 次の日は研究室で論文を書いていますがここで王子が先生の研究室に来て沢山の赤薔薇を差し出しました。
「差し入れだよ」
「あっ、いいね」
 ここで言ったのは先生でした、その赤薔薇達を見て。
「凄く奇麗な薔薇達だね」
「うん、実は沢山買ってお家で飾ってるけれど」
「僕にもだね」
「おすそ分けに来たんだ」
「これは嬉しいね」
「うん、見て素敵でね」
 ホワイティはその薔薇を近くで見て言いました。
「香りもよくてね」
「やっぱり薔薇はいいね」
「そうよね」 
 チープサイドの家族はそのホワイティのすぐ傍同じテーブルの上にいます。
「色も形も香りもよくて」
「最高のお花の一つだよ」
「しかも食べられる」
 食いしん坊のガブガブはこのことを言いました。
「凄くいいよね」
「そして王子もなのね」 
 ガブガブに続いたのはダブダブでした。
「薔薇が好きなのね」
「まあ嫌いな人はいないよね」
 こう言ったのはチーチーでした。
「薔薇は」
「お花の中でも一番素晴らしいお花の一つなのは間違いないから」
 ポリネシアも赤薔薇のすぐ近くに来ています。
「嫌いな人もそういない筈ね」
「僕薔薇が嫌いな人に会ったことがないよ」
 トートーはそうでした。
「それこそ一度もね」
「僕もないよ」
 老馬は長生きですがそうなのです。
「見たこともないよ」
「そして王子もね」
「薔薇が好きみたいだね」
 オシツオサレツは王子も薔薇も見ています、その二つの頭で。
「前もそう言ってたかな」
「そういえばね」
「好きだからお家を薔薇で満たして」
 最後に言ったのはジップでした。
「先生にも分けてくれたのかな」
「うん、大好きだよ」
 実際にとです、王子は動物の皆に答えました。 
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