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第二章

「昨日は全くだったよ」
「会話をしてもなんだ」
「全くだよ」
「わからなかったんだ」
「日本語らしき言葉もね」
 それもというのだ。
「なくてね」
「やり取りもなんだ」
「わからなかったよ」
 そうだったというのだ。
「これはね」
「そうだったんだね」
「ひょっとして何か古代の言葉かな」
 持ち主はここでこうも考えた。
「ひょっとして」
「古代のかい?」
「シュメールとかインカとか」
「それを記号で出しているのかい?」
「そうかな」
「どうかな。しかし記号をだね」
「うん、相変わらずね」
 それをというのだ。
「出してくるだけで」
「文章はおろか言葉にも」
「なっていないんだ」
「そして昨日は日本語らしき言葉もだね」
「なかったよ、漢字とか片仮名、平仮名も」
 こうしたものが日本語らしきものなのだ。
「なかったよ」
「それでも君に応えてくるんだね」
「ということは僕の言葉はわかって」
「会話をしようとしているんだね」
「そのことはわかるんだ」
 持ち主にしてもだ。
「それはね。けれどね」
「記号ばかりの返事で」
「わからないよ、というかそもそも名前の表記も」
 これもというのだ。
「もうわからなくてノイズって名付けた位だから」
「その言葉の意味がわかりたいところだね」
「全くだよ、本当に古代の言葉をね」
 自分達が全く知らないそれをといのだ。
「書きこんでいるのかな」
「その可能性もあるかな」
「その中でも全く未知の文明の言語とか」
 持ち主はこうも考えた。
「それかな」
「その可能性もあるんだね」
「若しくは本当にね」
「ただのノイズに過ぎないか」
「まあとにかく僕達にわかるか」
「それはだね」
「困難、というか」
「不可能だね」
「そう言っていいものだろうね」
 こう友人に言うのだった。
「結局のところは」
「そうだね」
「そう、まあそれでもね」
「彼女とはだね」
「会話は続けていくよ」
 このことはと言うのだった。
「これからもね」
「それで何かわかればいいね」
「そうだね」
 二人でこうした話をしてだ、そのうえで。
 持ち主はノイズと会話を続けた、そうしているうちにだった。ノイズは持ち主にパソコンの画面からこう文字を出してきた。 
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