| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ドリトル先生と奇麗な薔薇園

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四幕その六

「肥料ですから」
「だからですね」
「そちらはいいです」
「ではこれからですね」
「はい、通路を奇麗にして」
 職員の人達でというのです。
「終わりましょう」
「それでは」
「いや、千世のお考え通りでしたね」 
 それで上手くいったというのです。
「お陰でこれで」
「虫の問題が解決して」
「これからもどうすればいいか」
 そこまでというのです。
「はっきりしました」
「それでは」
「総理事長にお話をしますので」
 学園の最高責任者であるその人にというのです。
「それでは」
「はい、そうしてですね」
「虫のことで先生も」
「特別ボーナスですか」
「それが出る筈です」
 間違いなくというのです。
「ですから」
「それをですね」
「結婚資金にでもされて下さい」
 先生に笑顔で言うのでした。
「是非」
「結婚資金ですか」
「失礼ですが先生は独身ですね、まだ」
「はい」
 このことはその通りと答えた先生です。
「そうですが」
「それならです」
「ボーナスはですか」
「結婚資金にされて下さい」
「いえ、それはないです」
 先生は園長先生に笑って返しました。
「僕には」
「結婚はですか」
「恋愛もです」
 こちらもというのです。
「一度もです」
「ないですか」
「はい、ありません」
 こう言うのでした。
「そうした人間ですから」
「結婚はですか」
「絶対にです」
 それこそというのです。
「ありません、ですから」
「それで、ですか」
「ボーナスは嬉しいですが」
「結婚資金にはされず」
「はい」
 そしてというのです。
「普通に貯金します」
「そうですか、しかし」
「しかし?」
「私が思うにです」
 園長先生は先生を見て言うのでした。
「先生は素晴らしい方なので」
「だからですか」
「いい人が必ず前に出られて」
 そうしてというのです。
「素敵な恋愛をされて結婚も」
「するのですか、僕が」
「はい、そして結婚生活も」
 それもというのです。
「素敵に過ごされる筈です」
「そうでしょうか」
「はい、間違いなく」
 太鼓判を押している言葉でした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧