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オズのガラスの猫

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第三幕その四

「それでだから」
「猫の国に行くのね」
「そういうことよ」
「わかったわ、しかし食べもので揉めるなんて」
 ガラスの猫はオズマから聞いたこのことにこう言いました。
「下らないわね」
「全くよね」
 つぎはぎ娘は自分の横を歩いているガラスの猫に応えました。
「そのことは」
「食べるものなんてね」
「あたし達にとってはね」
「見るだけのものだから」
「それじゃあね」
 それこそというのです、彼女達にとっては。
「お肉でもお魚でもね」
「何でもないわ」
「本当にね」
「私もーーです」
 チクタクもこう言いました。
「そうしたーーことでーー喧嘩をーーしても」
「意味ないわよね」
「下らないわね」
「私もーー食べまーーせんーーが」
 機械の身体でゼンマイを巻いて動くからです。
「意味のーーないことーーとーー思いーーます」
「その通りよ」
「どうしてそんなことで喧嘩するのよ」
「極端に言うと何を食べてもいいでしょ」
「本当にね」
「それは貴方達が食べないからよ」
 ナターシャが三人にこう言いました。
「だからよ」
「わからないっていうのね」
「こうしたことが」
「ええ、ただどうもね」
 ここでこうも言ったナターシャでした。
「犬の国の人達はお魚をよく知らないみたいね」
「ええ、お肉主体みたいね」
「お話を聞いてたらね」
「だからお魚は食べないでね」
「怒ったみたいだね」
 恵梨香に続いてジョージと神宝、カルロスが言いました。
「どうもね」
「まあ犬は大抵お肉が好きだから」
「猫はお魚も好きだけれど」
「そこが違うみたいね」
「というか猫はね」
 カルロスはこうも言いました。
「鶏肉とお魚だね」
「そうだね、その二種類だね」
 ジョージはカルロスのその言葉に頷きました。
「猫は」
「犬豚肉にしても牛肉にしても羊肉にしても」
 神宝は言葉の中に鶏肉も入れつつ思うのでした。
「お肉主体だからね」
「そう思うと」
 まさにと言う恵梨香でした。
「お魚の味を知らないのも仕方ないかしら」
「あとオズの国はアメリカという国がそのまま出るから」
 オズマは皆にこの国のことをお話しました。
「同じ時代のね」
「だったら犬や猫もですか」
「食べているものがですな」
「今のアメリカのもので」
「お肉やお魚にしても」
「それぞれなんですね」
「ドッグフードやキャットフードにしてもね」
 こうした食べものでもです。
「お肉とお魚でしょ」
「はい、確かに」
「そうしたものが原料ですよね」
「そうしたものから作られていて」
「それで、ですね」
「結局はそうしたものを食べていますね」
「そうなるでしょ、だからね」
 それ故にというのです。 
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