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『組長と零』

作者:零那
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『初めての変化』



組長と出逢った翌日から監禁状態が続いた。組長の処には、なかなか行けない。家から出れない。

組長と出逢った日、最終フェリーで帰れず、翌日の始発で帰ると、待ち構えられていた。私にとって、何より耐え難くて何より殺意を抱いてる怪物に...。

母の再婚相手。養父に待ち構えられ、連れて帰られ、公開処刑を受ける。散々いたぶっても気が済まないらしい。何日も生き地獄が続いた。

そんな事、組長にはどうでも良いかもしれない。良い人だと直感で信じた。あんなに親身になってくれた大人は居なかった。でも、だからって、助けを求めるのは違う。助けて貰えるなんて思ったらダメ。

学校で配られる児童相談所のカードが唯一の手段。それも悪戯だと言われ、相手にされないけれど...。それでも何年も電話し続けてる。

警察は知ってるくせに何も出来ない。だったら他にどうしろと?どうもしようがない。殺してしまうしか手段は無いのだろうか。どんな風に殺そうか、そんな事ばっかり考えていた。

でも、組長と出逢って、少し変わった。何が変わったとかじゃなく...。
ずっと重苦しい闇に覆われてたけど、少しだけ...明るくなったような軽くなったような...。


 
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