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目からビーム

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第二章

「ホビットと人間の村でね、ドワーフの人達もいるけれど」
「赤目はいないからだね」
「だからだよ、ただね」
「ただ?」
「私達は少ないからね」
 エラリーは自分達の種族のことを話した。
「赤目族は」
「そういえばそうかな」
「この街でも私はいてもね」
「他にはなんだ」
「子供達だけだよ、旦那は今は外に売りもの仕入れに行ってるしね」
「おばさんの家族だけなんだ」
「お姉さんだよ、とにかくね」
 エラリーはシグマルドに腕を組んで難しい顔でこうも言った。
「私等赤目は少ないしね」
「そうそうだね」
「会えないしね」
 市場には色々な種族がいる、人間にホビットにエルフにドワーフ、リザードマンに蛙人にとだ。今シグマルドの横をフエアリーが飛び虎人が通り過ぎた。
 だが赤目はだ、確かにだった。
「そういえばここにもね」
「私以外にはだね」
「いないね」
「そのせいもあってだよ」
「じゃあおいらが今お姉さんに会ったのも」
 中年だからおばさんだと思うがエラリーが強く言うのでこう呼んだ。
「運がよかったんだ」
「そうなるね」
「赤目の人と本当に会えてね」
「私達がいるとは聞いてたね」
「それでこの街に仕事がない時に来たしね」
「そうだよね」
「まあとにかくサングラスとかしていないと」
「大変なんだよ」
「成程ね」
「ちょっと気を強く持って目に力を入れたらね」
 そうした時はというと。
「聞いた通りだよ」
「その目からだよね」
「光が出てね」
「敵とかを攻撃出来るね」
「これが何も関係ない人を傷つけたりするしものだってね」
 その目からの光でというのだ。
「傷付けたりするからね」
「大変なんだ」
「だから私達は普段は目を閉じているか」
「今のお姉さんみたいに」
「サングラスをしているんだよ」
「そういえば随分色が濃いサングラスだね」
 真っ黒といってよかった、まさに。
「そうしたのじゃないと駄目なんだ」
「これでもはっきり見えるしね」
「目の光りのせいで」
「そうだよ、何しろ目を閉じていても」
 その状況でもというのだ。 
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