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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第一幕その三

「凄いよ」
「だからですね」
「あそこでティータイムを楽しもうね」
「わかりました」 
 トミーも笑顔で頷きました、そしてです。
 皆で一緒に南国のコーナーを巡って他のコーナーも巡ってでした、途中お昼御飯も食べてそれからです。
 午後も植物園を回って三時の薔薇園に入りましたが。
 そこで、です。動物の皆はお茶を飲みはじめた先生に尋ねました。
「色々な薔薇があるけれど」
「青い薔薇もあるね」
「青い薔薇まであるなんてね」
「凄いよね」
「確か青い薔薇は」
 ここで言ったのはガブガブでした。
「昔はなかったんだよね」
「人の手で生み出されたものだったわね」
 ダブダブも言います。
「そもそも」
「赤や白の薔薇と違ってね」
 トートーもその薔薇達を見ています。
「そうだったね」
「本当に色々な薔薇が咲き誇っているけれど」
 ジップは黄色い薔薇も見ました、本当に奇麗な黄色の薔薇達で香りも素晴らしいです。
「青い薔薇はちょっと違う感じがするね」
「有り得ないけれどここに実際にある」
 ホワイティはこう言いました。
「そんな感じかな」
「そうそう、有り得ないものってね」
 ポリネシアはホワイティに応えました。
「青い薔薇って言ったわね」
「それだけ有り得ないものだったのに」
 チーチーの口調もしみじみとしています。
「今はあるんだね」
「不思議だよね」
「本当にそうね」
 チープサイドの家族も思うのでした。
「そんなものが今はあるなんて」
「そして僕達が見ているなんて」
「うん、それだけにね」
 老馬もその目で青い薔薇を見ています。
「素晴らしいものを見ているって思えるよ」
「赤、白、黄色、ピンク、紫、黒にね」
「そして青い薔薇」
 オシツオサレツも二つの頭でお話します。
「どの薔薇も素晴らしいけれど」
「青い薔薇も加わると余計に凄く思えるね」
「うん、僕もね」
 先生もその薔薇達を見て思うのでした。
「素晴らしいと思うよ、青い薔薇もあってね」
「人間が生み出したお花だね」
「青い薔薇は」
「まさにそうだよね」
「何といっても」
「うん、ただね」
 ここでこうも言った先生でした。
「よく人の手で生み出すことはって言うよね」
「そうそう、神様がする仕事だから」
「人間がするのはどうか」
「そう言う人もいるよね」
「特にキリスト教の人で」
「それを言ったら品種改良は出来ないからね」
 だからと言う先生でした。
「作物だって」
「だからそう言うとだね」
「進歩が止まってしまうんだね」
「麦やジャガイモだって品種改良されていったし」
「薔薇もよね」
「青い薔薇だって」
「あってもいいと思うよ。神様は人の成長を待ち望んで見守ってくれているから」
 それが先生の思う神様の気持ちです。 
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