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雪音クリスの休日

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06

 日曜、0900 リディアン音楽院正門前。
 響は正門前で「リディアンの制服」を着込んで仁王立ち待機。
 服装が違えば師匠との決闘を申し入れて待っているかのような出で立ちであった。
 今週は車で来るように言われ、待ち合わせ場所も音楽院正門。
 石部金吉さんである司令は気が付いていなかったが、響の計画が「正妻指定されたクリスの上前を撥ね、自分こそが正妻で弟子である。と学園中に公表して発表して、生徒全員に見せつけるつもり」なのを司令部一同が知っていた。
 現職のスケバン刑事である調が撮影して追跡しているのは先週と同じであるが、今日は最初からヘリ監視アリアリ、衛星軌道上からも30分ごとに通過する軍事衛星とか、静止軌道上に置かれている「ひまわり」の系統の情報収集複合型衛星も、リディアン正門と響の監視に傾注している。
 もちろん気象庁に完全武装の軍人が大量出向して「徴発令状」を持参して、情報収集用多目的衛星のコントロール全てを特異災害対策機動部SONGが徴発した。

「お父さ~~んっ!」
 車で到着した司令を出迎えた響と、リアル友達の集団。もちろん未来もいる。
 先日からのクリスの扱いとか、延長扱いでの急な外泊とか、いろいろと苦言を呈するために、教師で声楽科のシスターも同行していた。
 クリスの方はシンフォギア同士の暗闘に破れたのか、レイプ目のまま指輪掲げてクルクル回ってる時に、赤心流中断突きの渾身のボディブローとか、反則のキドニーパンチとか、脳を揺らすための顎への一撃とか、デビューしたての4回戦ボーイに良いの何発か貰っちゃって、10カウントされるまでリングに這い蹲って、マジゲロ吐かされた上で後ろ手に拘束されて、どこかの体育倉庫とかに放り込まれて、外から施錠されて監禁されている、らしい。
 武士の情けと女の子として、自分で作ったお弁当と、バケツとトイレットペーパーだけは置いてやった。らしい。

「あのねっ、みんなっ、この人が私の「本当のお父さん」なのっ!」
「「「ハアッ?」」」
 響の父親や家庭の事情を知っている、未来と教師と司令もSONG司令部も驚愕した。
 クリスは「憧れのオジサマ」→「パパ」→「将来の夫で伴侶」と言う経緯を踏んでから「パパ」扱いをした、ちょっとヤンデレでリスカボーダーメンヘラ女だが、響の場合、現実の方をゴミ箱にポイ捨てしてしまい、夢の中の世界に旅立って、理想の男性で師匠を「自分の本当の父親」の地位に据え付け工事を完了してコンクリート土台に敷設済み。
 遺伝的父親の方は、心の中でレーニン像とかサダムフセイン像みたいに破壊して重機で押し倒し、サンダルとか土足でドツキ倒し重機で破砕、金属回収した後に工事の残材とかガラ入れの中に捨てて、山の中の工事残材廃棄品埋め立て現場とか、港湾埋め立て施設の底に葬り去ってしまっていた。
 響の表情は明るく笑っていたが、その目付きは既に壊れていて、光彩に光がないレイプ目。
 目の下側にだけ強い力が入っている病んだ目で、目の下にクマと悪役線まで引っ越して来ていて、もう現実世界なんか何も見ちゃあいなかった。
 目の焦点とかも、現世ではなくあの世とか、夢の中の世界のお花畑を見詰めていて、「え? 元の音雄さん?(WORKING) 何それ美味しいの?」状態で、元のどこに出しても恥ずかしい父親は記憶から消去済み。「ツヴァイウィングのコンサートで一人生き残った? 近所の奴らに石投げられた? ううん、覚えてない」と言う重篤な病状に陥っていて、統合失調症の患者としても重病だった。
 もう「防人の家に生まれて、鍛錬漬けの生活だった~」とか翼の言葉を丸パクリしたような妄想幻覚人生を語り始めると完全終了である。
 下手すると「翼さんと入れ替わりたい」願望とかも発症して「あたしは風鳴翼~~」と言い出すと殺人事件とかストーカ事件にハッテン。
 直ちに黄色い救急車のお迎えが必要な、レベル5発症済みであった。
 ちょっとオヤシロサマにブチ込んで入院させるか、祭具殿で監禁拘束してないと、女王感染者でレベル5なので、ひぐらしが鳴くようなアルファ世界線のストーリー路線に変更されてしまう。
 クリスが「圭ちゃん、迎えに来たよ」とか言いながら、ベッドの下から干からびた死体になった、変わり果てた姿のまま黒い手が出て来たり、「カナ、カナ」言い続ける響が鉈持って「嘘だっ!」とか叫んで、(新しい)お父さんとの二人だけの家庭に侵入しようとした売女(クリス)を解体して冷蔵庫に入れたり、雛見沢大事件起こして終了。

 監視している一同も、ガングニール装者の心の闇が、ここまで成長して超重力崩壊寸前で、どっかのベテルギウスさんみたいに超新星爆発して、自傷?の水平線の向こうに沈没寸前なのを思い知った。
(((ヤッベ~~~~~~)))
 教師と未来と司令は、響の実の父親みたいなクズが、この世から消えても特に誰も困らないのを知っていたが、シンフォギア装者がそれを願い、現実だと言い張った時、聖遺物的に現実とか歴史が書き換わる事もある。
 車内アナウンスが入り「運命の乗り換えが行われます、ご乗車の皆様は白線まで下がってください」と言われるぐらいの大事件で、なんか変な彫刻が東京タワーに差し替えられるぐらいの運命の乗り換えが行われる。
 ももかちゃん(誰?)大火傷の重傷物でお嫁に行けなくなるぐらい包帯まみれで、「生存っ、戦略~~っ!」である。

 現在監視している実行部隊だとか政府関係者が、離婚後の「立花」姓を「風鳴」とかに書き換えてしまい、聖遺物が関わらなくても「超法規的措置!」によって現実も物理法則も戸籍も書き換わるのを知っているSONG司令部も恐怖した。
 響の本当の父親の存在など、幼少期から完全に抹消するのに何の躊躇も無く、闇から闇に葬るのも、響自身に復讐させてぶっ殺すのも、日常茶飯事チャメシゴトの皆殺し部隊とか出場すると事実になり、元の父親は歴史からも完全に消去される。

 司令は電柱の影に隠れている緒川が、関係各所にLINEで連絡して、工作開始しているのにも気付いた。
 別にダブルスパイだとか、エヴァのスイカ栽培している無精髭のおじさんじゃなくて、雇用先が日本国で国家公安委員で、SONGには出向しているだけ、本来の勤務先の政府関連とか内閣調査室に報告してご注進しているだけである。雇用契約違反は何も起こしていない。

「「「今日はビッキーのお父さんをお迎えしたんで、ウェルカムパーティーもありま~す」」」
 一行は近所のお好み焼き屋に移動して、予約席以外にもリディアン学生とか政府関係者が入店して、飲み物とか持ち帰り用のタコヤキを注文して大盛況になったが、「気分が悪くて胸がいっぱいで喉を通らない」「立花響の精神崩壊が怖すぎて喉を通らない」ので、注文が通っていなくてもお好みが出なくても特に困らなかった。
 店外で既に、路上にお好み焼き焼いて、もんじゃ焼きとかも吐いて、2,3枚焼き終わっていたからである。

「ひ、響がいつもお世話になっています」
「え、ええ」
 司令に苦言を呈するはずだった教師でシスターで政府関係者は、響には宗教的な救済が必要な状態で、即座に病院に入院するべき精神状態なのを把握して、何も言えなくなった。
 もちろん「この方はあなた方が所属している組織の長で、お父さんではありませんよ」と言う種類の死刑判決を言い渡すと、響が発狂してクリスみたいに暴れ出すのは承知しているので、余計な発言を控えた。
「せ、先生、これが先日までの報告書です」
「はい……」
 司令からシスターに、ユアアイズオンリーな手紙が差し出された。
 先週のクリスちゃん事変の全貌と、シンフォギア装者の心の闇が記載されていたが、売女(クリス)との婚約で、響の心の闇はもっと重症にハッテンしてしまって、夢の中の世界の住人へとクラスチェンジしていた。
 もうロックで革命起こして、ロキでトールハンマー掻き鳴らして、ギンヌンガガップにフェンリル叩き込んで大政奉還させる勢いで破滅していた。
 電話などで聞かされた「お姉ちゃんだけずるい~」と言うのは、比喩的表現だとか、シンフォギア装者を「リディアン音楽院的な姉妹(スール)」として扱っていたのかと思えば、響の脳内では指令が父親で、クリスが姐、翼は従妹で切歌と調は(プティスール)として設定終了した、だんご大家族設定なのを思い知らされた。

 司令はビデオカメラを設置した、調の目付きも既に壊れているのも確認した。
 切歌はウエルニッケ脳症の患者みたいに、自分の喉の下とか、封も切っていないジュースの中にウジ虫がいると言い出してボリボリ喉を掻き毟って、レベル5発症して女王感染していた。

「お父さん、先生ってシスターなんだから、鼻の下伸ばしたらダメでしょ~」
「は?」
 もう響の目には、恐怖に震えてションベンちびりそうな真っ青な司令の顔が、BBAのシスター見て鼻の下を伸ばしているように見えてしまうぐらいのヤンデレに進化していた。
 
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