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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第八幕その二

「橋本左内さんや頼美樹三郎さんとかね」
「本来は死罪になる人達ではですね」
「なかったんだ」
 幕府の評定所というところの判断ではです。
「けれどそれをね」
「井伊直弼さんはですね」
「幕府はいつも刑罰を軽くしていたけれど」
「井伊直弼さんは重くしていて」
「強引に死罪にしていったんだ」
「そうしたことを物凄く行って」
「挙句にね」
 例え幕府を守るつもりだったとはいえです。
「水戸藩の藩主さんに水戸藩の人達に怨みを買ってね」
「そうしてですね」
「殺されたんだよ」
 その桜田門外の変で、です。
「そして首を取られてね」
「今はここに眠っているんですか」
「確かお墓は他にもあるけれど」
 それでもというのです。
「ここにもあってね」
「眠ってるんですか」
「うん、ただ死んだ時もね」
 その時もだったのです。
「江戸、今の東京の人達にも全国の大名の人達にも凄く喜ばれていたんだ」
「江戸の人達にも嫌われていたんだ」
「本当に嫌われていたんだ」
「というか嫌われ過ぎでしょ」
「何ていうかね」
「どんなに嫌われているんだか」
 動物の皆もびっくりでした。
「何ていうかね」
「凄いね」
「嫌われ過ぎでしょ」
「死んで喜ばれるとか」
「そうはなりたくないよ」
「うん、僕もね」
 それこそと言った先生でした。
「そこまで嫌われる人なんてね」
「そうそう知らないよね」
「生きていた時から今まで嫌われるって」
「時代劇とかでも悪役ばかりで」
「世界でもそんな人すくないよね」
「あちこちの国にいるにしても」
「うん、それぞれの国で嫌われている人はいるよ」
 歴史上の人物の中で、です。
「所謂悪役の人達だね」
「日本でそうした人はね」
「この井伊直弼さんなんだ」
「あと源頼朝さんも」
「あの人もそうだけれど」
「双璧を為すね」 
 日本の歴史で嫌われている人達はこの人達だというのです。
「まさにね」
「だからね」
「そんな人のお墓見てもね」
「全然嬉しくないよ」
「時代劇の見過ぎかも知れないけれど」
「それでもね」
「じゃあ他の人のお墓を見て回ろうかな」
 皆があまりにも井伊直弼さんのことについてうよく思っていないのでそれで、でした。他の人のお墓を見ることにしました。
 それで、です。次に行った場所は。
「武田信玄さんのお墓だよ」
「あっ、戦国大名の」
「あの人ね」
「甲斐の虎と呼ばれてて」
「戦も政も凄い人だったね」
「そうだよ、戦国時代を代表する人の一人だよ」
 まさにというのです。 
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